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院長コラム

新生活が始まって一か月が経ちましたが、皆さん少し生活が落ち着いてきた頃でしょうか。うちでは今春から手塩にかけて育ててきた息子が旅立ちました。1人減るとなんとなく静かな感じになり、まだいないことに慣れていないこともあり落ちつきません。家に残っている子どもは3人しかおらず、上2人は夜も家にいないことが多いことから、2歳の娘だけが私たち夫婦を楽しませてくれてかろうじて家はまだ明るい状態です。初めての女の子で遊び方も男の子と違い、お絵かきをしたり、歌を歌ったり、お人形遊びをしたりと動きが激しくなく、若くない私たちには丁度良い楽しい子育てとなっています。

昨秋に水痘ワクチンが定期接種化になり、来年度からさらに「B型肝炎ワクチン」が定期接種化されることが決まりました。残るはおたふくかぜワクチンとロタウイルスワクチンの2つのみです。現在ワクチン研究に携わっている医師などが中心となって、ワクチンの効果を検証しており、効果が認められた後に、この2つのワクチンが定期接種化されるそうです。一日も早い定期接種化を望みます。

富士吉田市市民の方には朗報です。他に先駆けて今年4月からロタウイルスワクチンとB型肝炎ワクチンの助成が始まりました。対象となる方にはぜひ接種していただきたいと思っております。そして他の市町村にも波及することを期待します。

今月はまだあまり知られていない「ヒトメタニューモウイルス」についてお話します。

 

ヒトメタニューモウイルスって?

このウイルスは2001年に発見され、RSウイルス流行後の3月から6月にかけて流行します。咳・鼻水・熱が主な症状で、RSウイルスやインフルエンザウイルスと似ています。潜伏期間は約4~6日、くしゃみや咳による飛沫感染で広がります。

検査方法はインフルエンザと同じように鼻に綿棒を入れて鼻汁を採取します。最近、迅速検査ができるようになり、調べられるようになりました。肺炎が疑われる場合に胸部レントゲンと一緒に検査をするのが一般的です。一度かかれば、もうかからなくなるわけではなく、1回の感染だけでは免疫が獲得できず、何度か感染します。ただ、何度かかかるにつれて免疫がつき、症状は軽くなっていきます。

 

治療と予防は

薬はインフルエンザと同じような特効薬はなく、対処療法の薬のみで細菌の2次感染がある場合は抗生剤を使用します。予防はかぜやインフルエンザと同じで手洗い・うがいが大切です。このウイルスは突然現れた新種の病気ではなく、最近ウイルスが見つかり迅速検査ができるようになり、知られるようになってきました。病気の程度としてはインフルエンザやRSウイルスよりは軽いが、普通のかぜより重いと思ってください。熱が出て、咳がひどくなり、ゼロゼロしたときはこのウイルスも考える必要があります。

 現在今回取り上げたヒトメタニューモウイルスに加えて、迅速検査は溶連菌・マイコプラズマ・インフルエンザ・RS・アデノ・ロタ・ノロウイルスなどができます。適切な検査をするには、園・学校・地域での流行状況を踏まえ、お子さんの体調を丁寧に伝え、検査の負担も考慮しながら、かかりつけ医に相談するとよいでしょう。

 

参考文献

国立感染症研究所ホームページ

 

電気を考えよう(1)

 昨冬自宅に太陽光発電を設置したのをきっかけで、電気の専門家ではない私が電気について非常に興味を持つようになりました。電気が太陽の光によって自分たちで作ることができることに大きな驚きと感動を覚えました。帰宅後、今日一日でどのくらい電気が作られたかをモニターでみて一人で楽しんでいます。食べ物は自分が口にするので体によい物を取ろうと意識するのと同じように、電気も何の原料で作られたのかを考える時代がそう遠からず来るのではないかと思っています。少なくとも私は意識するようになってきました。

先月は、小・中・高の息子3人の卒業式に参加しました。それぞれの卒業式で学童期・思春期・青年期の成長を感じることができました。式の最中は入学式から在学中の色々な出来事を思い起こしながら、親としての関わりを振り返ることができました。最後のホームルームでは家庭生活では見られない意外な子どもの姿を目にする機会にも恵まれました。子どもの節目の行事にはご夫婦でご出席されることをお勧めします。

さて、毎年この時期は花粉症で悩まれる方がいると思います。昨年よりスギの飛散量は多く、うちでは私と小6の息子が花粉症で目のかゆみ・鼻水・鼻づまりなどの症状に悩まされ薬を飲んでいます。今月は診察時よく質問のある「花粉症とかぜの見分け方」についてお話をします。

 

花粉症とは

 アレルギー性鼻炎の一つで、体外からは入ってきた花粉等の異物を体が防御するために起こり、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみ等の症状があります。花粉の代表はスギで2~4月に飛散します。5月まで症状がある方はヒノキの花粉の可能性があります。子どもの場合、0~1歳はあまりみられず、3~4歳から発症し始めます。

 

かぜとの見分け方

 花粉症は花粉と接触して症状が出るため、花粉の飛散量によって症状が変わります。多い日は症状が強く、少ない日は症状が軽くなります。症状はスギ花粉が終わる4月まで続き、目のかゆみ・透明な水っぽい鼻水・くしゃみ・鼻づまりが特徴的です。特に目のかゆみがある場合は可能性が高いと思われます。咳はあまりでません。

かぜの場合はウイルスなどが原因のため、多くが約1~2週間程度で落ち着きます。熱が出る時もあります。目のかゆみは出ません。

両者がわかりづらい時は薬の効きが参考になります。花粉症の薬が効くことで症状が楽になれば花粉症と考えられます。両親が花粉症であると子どもも花粉症になる可能性が高いので、家族の方が花粉症であるかも参考になります。初めて花粉症の症状がでてきた場合はすぐに診断がつきにくいこともあり、経過をみながら診断していきます。

インフルエンザのように検査をするとわかると考えがちですが、スギの特異的IgE抗体では体質・感受性がわかる程度で、確定するまでの精度はありません。

 

治療法

治療は薬と花粉回避の2本柱です。薬は飲み薬と点眼薬・点鼻薬があります。薬の種類は年々増え、副作用である眠気は少なくなってきています。合わせて服用回数も1日1~2回と少なくなり、飲みやすい味になっています。基本は飲み薬である抗ヒスタミン薬を内服します。症状の程度によって、点眼薬や点鼻薬を併用していきます。症状がひどくなる場合はさらに抗ロイコトリエン拮抗薬を追加する場合もあります。

花粉症の症状を軽くするためには、治療薬とともに花粉を避けることも大切です。

  • 飛散の多い時は、外出を控える・窓や戸を閉める。
  • 外出時にマスク・メガネを着用し、毛織物などのコートは避ける。
  • 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室し、洗顔・うがいをし、鼻をかむ。
  • 掃除を励行する

以上を参考にしてください。子どもは外に出ないで生活することは不可能ですので、できることからやっていきましょう。

 

アレルギー免疫療法が新登場!

 アレルギー免疫療法とはアレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。従来の花粉症の薬である抗ヒスタミン薬は対処療法でしたが、昨年から発売された「シダトレン」という薬はスギ花粉症の原因物質であるスギ花粉のエキスが入っており、舌にためて飲み込みます。体に花粉が異物でないことを学習させるために2~3年位の長期間飲み続ける必要があります。対象者は12歳以上です。8割の人に効果があり、副作用としては口の中の腫れやかゆみが数%見られます。全身の副作用が起こる可能性は非常に低いため安全に行えます。さらに体質が変わることでぜんそくやアレルギー性鼻炎などの発症が抑えられる効果も期待できます。

 

参考文献

スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き 一般社団法人日本アレルギー学会

アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン2010 協和企画

花粉症と周辺アレルギー疾患 診断と治療社

 

ウォン・ウティナンさんの裁判を支える署名と寄付について

署名1万3千筆、寄付金150万円達成しました。4月下旬に裁判が開始されます。経過はこのコラムにてご報告させていただきます。ご協力いただいた皆様に感謝致します。

 

先月紹介させていただいたチャリティーバザーには、たくさんの来場者の方にご協力いただき寄付を集めることができました。場所を提供していただいたフォネットさん・商品の提供をしていただいた初花さん・KO堂さん、そして多数のボランティアの方々のお蔭であると感じました。当日私も慣れない売り子や声かけをさせていただきましたが、終わった後、清々しい気持ちになりました。参加してくださった皆さんご協力ありがとうございました。

今月は「小児在宅医療」というまだ新しい分野について皆さんにお伝えしたいと思います。医療技術が進歩し救命率が向上する一方、重度の後遺症を残した子どもたちが増えてきました。医療機器の進歩に伴って、様々な医療行為が自宅で可能となり、自宅で家族とともに生活できるようになってきています。長期入院をせず家で過ごせることはたいへん喜ばしいことではありますが、いざ外出となると人工呼吸器や携帯用酸素ボンベを持ちながらベッドや車いすで移動することは大変な労力を必要とします。高齢者ではよく行われている在宅医療が子どもの分野でも必要とされる時代がやってきています。

 

家族の負担は極めて大きい

 子どもは家族と過ごすことが幸せであることは誰も否定することはありませんが、重度の後遺症を残した子どもを受け入れる家族の負担は非常に大きなものです。人工呼吸器がある場合、定期的に痰を吸引したり、食事はチューブから胃に栄養を送ったり、体位交換したり、入浴、排せつのケアを訪問看護・訪問介護・訪問リハビリを利用しながら家族が特に母親が中心となって対応しています。家族の肉体的精神的な負担は計り知れません。また県内には子どもに慣れている訪問看護などのサービスはまだ少数しかないのが現状で、このようなサービスがうまく利用されていない場合もあります。

 

レスパイトは絶対必要!

 人工呼吸を使っている場合、家族は24時間常に子どもの様子を見守らないといけません。痰がつまって苦しがるときには吸引する必要もあります。対応を中心に行うのは母親がほとんどです。精神的肉体的な疲労は定期的に解消していかないと、母親が倒れてしまい、残された兄弟は母の苦労を気遣い、甘えることを躊躇してしまいます。レスパイトとは「ほっと一息つける時間」という意味で、お子さんを一時預かることで家族がリフレッシュすることを目的としています。県内では一部しかなく、もっと利用しやすくするための整備を進める必要があります。

 

訪問診療を今春から始めます

 私は3年前にこの分野に興味を持つようになり、学会などで勉強や実習を行ってきました。昨年、東京の大部分を数名の医師で子どもの在宅診療を専門に行なっている「あおぞら診療所」・宇都宮市で開業しながら在宅医療とレスパイトを行なっている「ひばりクリニック」・熊本県で国内でも数少ない小児専門訪問看護ステーション「ステップキッズ」の3か所へ赴き、見学をさせていただきました。診察室での診療はいつも慣れているのですが、患者さんのお宅へ訪問するということは初めての経験で緊張しながら見学をしました。訪問させていただいたお母さんから「先生が来るので、とても安心でき、ちょっとしたことでも相談ができるので、たいへん助かります。」といった生の声も聞くことができ、大変有意義な経験をしました。県内でも同様に在宅でみているご家庭があるかと思います。

4月から当クリニックで訪問診療を始めたいと考えています。勉強しながらの対応となりますが、ご希望のご家庭がいましたら、ご気軽にうちのクリニックまでお電話で問い合わせていただけたらと幸いです。家族の笑い声や季節の香りに囲まれた中でお子さんが成長する、そんな当たり前の生活をサポートしご家族に寄り添っていきたいと思います。

 最後に、どのお子さんにも重度の後遺症をかかえることが起こることがあります。みなさんにも子どもの在宅医療の実情を知ってもらい、すべてのお子さんが安心して生活ができる整備づくりに繋がってほしいと願っています。

 

水痘ワクチン、特例措置の期限迫る!

3~4歳のお子さんで水痘ワクチンを1回も接種していない人は今月末までに定期接種として1回の接種が受けられます。接種券が必要となりますので市町村にお問い合わせください。昨秋から水痘ワクチンの定期接種が始まっています。2歳までに2回接種ができます。

今月はとにかく寒く、早く春よ来いと願うばかりです。我が家では5人の子どものうち3人が大学や高校の受験を迎え、いつになくせわしなくなっています。親としてどう声をかけたらよいか気を使い、一方で2歳の娘の遊び相手をしながら過ごしています。

 現在、インフルエンザの流行期に入っています。一番の予防は手洗い・うがいで、マスクも効果があります。体調が悪い時、無理して園や学校に行くことで他人に広げることもあるためお休みしていただくとありがたいです。今月は医療から少し離れた話です。先月、山梨日日新聞(12月6日)に記事が載ったのでご存知の方もいるかもしれませんが、退去強制処分を受けたタイ人の中学3年生が処分取り消しを求めて提訴します。市民の有志が裁判を支援する組織を設立し署名などの活動をしています。賛同していただける方はぜひ署名とご寄附をお願いします。

 

ウォン・ウティナンさんの生い立ち

三男(中3)が通っている甲府市立南西中学3年に在籍しているウォン・ウティナンさんという生徒がいます。彼は不法滞在の母親の元に日本で生まれ育ちました。父母はタイ国籍の超過滞在者であり、父親は強制送還されています。母親は入管の摘発を恐れ、彼とともに各地を転々として過ごしてきました。そのため彼は小学校に入学出来ず、公教育を受けることができませんでした。2010年、山梨県が新しい公共支援事業で実施した「外国籍不就学児童調査」で彼が不就学状態にあることが判明し、県の事業とボランティアの学習支援を受け、週3~4回程度の学習支援を受けて、2013年4月から同中学2年に入学していました。彼は本当に努力家で、小学校教育を受けなかったにもかかわらず、中学校の2年間で学力的には高校に進学が可能な段階にまで至っています。多くの友人や先生、同級生の父母の支援にも恵まれ、演劇部やバスケット部に所属し、体格的にも年齢に応じた成長がみられています。

 

ウティナンさんからの手紙

 手紙の全文は長文のためコラムに掲載ができません。私は読んでいて胸を打たれました。ぜひ皆さんにも読んでいただきたいです。手紙の要旨は以下の通りです。「私は父親の記憶がまったくありません。母親の友達の子どもと遊んでいましたが、自分以外は小学校へ行っていました。学校というところへ行きたい気持ちはありましたが、ひとりでテレビを見ながら過ごしたりして、ビデオやテレビで日本語を覚えました。12歳になりオアシス子ども会で勉強をし、勉強が楽しくなり、中学校へ通うようになったことから、学校が本当に面白いところだと感じました。私は一度もタイに行ったこともなく、自分はずっと日本人だと思っていて、タイに帰れと言われても帰るところは日本だと思っています。私は在留資格を取り、今春から定時制の高校に通ってお母さんを助けたい、そして自分と同じように困っている人がいたら手助けできる人間になりたいです。」

 

私も応援しています

 私が初めて彼と会ったのは、昨シーズンに彼がインフルエンザにかかり、診察をさせていただいた時です。諸事情を知っていたので、無償で対応させていただきました。また、これまで息子と同じバスケット部の試合で楽しそうに過ごす様子や、演劇部の劇で生き生きと演じている姿を見ています。私も周囲も感じているのが、母親の元で愛情豊かに育ったことで、素直な良い少年に育っているということです。今回、彼と母親が退去強制処分を受けたことを知って、他人事とは思えない気持ちになりました。もし自分がそんな境遇として生まれてきたらどんな気持ちになるでしょう。行ったこともないタイへ行くことが本人の幸せになるのでしょうか?在留許可をあたえてもらうためにみなさんの署名と寄付が必要です。

 今後、市民有志による「ウォン・ウティナンさんの裁判を支える会」主催で2月11日午前11時から催されるチャリティバザー(下石田フォネット駐車場)・3月1日に開かれるチャリティ落語(ヴァンフォーレ甲府スタジアムDJのJIROさんが三枝亭二郎の名で出演)にて署名や寄付を募っていきます。なお、ウォン・ウティナンさんへの署名、手紙の全文、新聞記事は山梨外国人人権ネットワーク・オアシスのホームページ(http://yamanashi-oasis.seesaa.net/)を参照ください。

ぜひともご理解・ご協力いただけますようよろしくお願い致します。

新年明けましておめでとうございます。今年も小児医療に関して皆さんに役立つ最新の情報を提供していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。さて、昨年11月30日に第3回富士山マラソンに初出場しました。フルマラソンは初めてでしかも練習では30㎞までしか走ったことがないため、ドキドキしながらスタートしました。多くの応援に支えられていたのですが、なんと25㎞あたりから失速してしまいました。その後は気力で走り切りなんとか制限時間内の4時間55分で完走することができました。途中、太鼓や吹奏楽の演奏で勇気づけられ、歩道でボランティアの方々が自前でドリンクや飴などを提供してくれました。出場者を代表して協力者・応援者の皆様に感謝申し上げます。久々に初めてのことを経験したので大変興奮した1日となりました。

 先月、武装勢力に銃撃されながら一命をとりとめ、女子教育の権利を訴え続けているマララさんがノーベル平和賞を受賞しました。子どもたちが教育を受ける権利を訴え続けています。彼女のスピーチを聞いて、教育とは本当に大切だなと改めて感じました。日本は戦後、平和憲法の下で子どもたちがしっかりと教育を受けてきたおかげで平和が続いています。様々な課題はあるものの、今ある何気ない日常に感謝したいと思います。今月は県内では知事選が控えていることもあり、県内の小児医療の現状についてお伝えしたいと思います。パパ・ママ世代の投票率が低い傾向にあり、政治家は若い方の声に耳を傾けない風潮になってはよくないと思います。必ず選挙に行き一票投じていただきたいです。

 

重度心身障害者の医療費助成制度が窓口無料から一時払い方式に

 県が昨年11月から国が国庫負担金を減額するペナルティーを理由に重度心身障害者の医療費助成制度を窓口無料から一時払い方式に変更しました。障害者以外の子どもは今まで通り窓口無料ですが、障害者のみが一時払いになってしまいました。何か不公平な感じがしませんか?現在、市民団体「子どもの医療費 窓口無料化を求める会」が改善を求め運動をしています。

 

最近のワクチン事情

 数年前から今までになかったヒブ・肺炎球菌・ロタワクチンが新たに加わり、これらのウイルスにかかることで髄膜炎・肺炎・胃腸炎にかかるお子さんが大きく減ってきました。ヒブワクチン導入前後で髄膜炎が9割減ったという報告がでており、多くの子どもたちがこれらのワクチンによる恩恵を受けています。また、昨年10月から水痘ワクチンが定期接種化され、今後水痘にかかるお子さんも激減すると思われます。まだ定期接種化されていないロタ・おたふくかぜ・B型ワクチンも早期に定期接種化されることを強く望みます。

県内では任意の予防接種に独自に助成をしている自治体が2つあります。笛吹市はロタ・おたふくかぜワクチンを大月市はインフルエンザワクチンに対して一部費用の助成を行っています。この自治体に在住の子どもをもつ親御さんは、積極的にこの制度を活用していただきたいです。さらにより多くの市町村で助成が広がることを期待します。

 

県内の小児救急体制

 昨年11月、県が主催した「小児救急医療研修会」に参加し、救急を担っている大学病院小児科の先生から話を聞く機会がありました。日本では0歳と成人の死亡率は、主要13か国の中で低いのですが、1~4歳児の死亡率が高いことが課題になっています。重症な場合、出生時には新生児集中治療室(NICU)で、成人の場合は集中治療室(ICU)で対応するという体制が全国的に進んでいますが、幼児に対応する小児集中治療室(PICU)の整備がまだ進んでおらず、そのため死亡率が高いと言われています。このPICUは、日本では大都市においては整備されていますが、地方ではまだ未整備の所が多く、山梨県内にはありません。人口規模から考えると、県内にはICUに小児部門を入れてもらうことが得策であると考えられています。PICUの整備で救える命があることを皆さんに知っていただきたいと思います。

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