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院長コラム

小児科医から最新の医療情報と県内の子どもにまつわる情報をお伝えしております。
この内容は、県内子育て情報誌「ちびっこぷれす」の「午後10時、クリニックにて…〜おほしさまの先生からの子育て応援”談”!〜」に掲載されています。

季節は立冬も過ぎ、日に日に寒くなってきますね。先月、娘と妻と3人で近くの公園で紅葉を楽しんできました。特に黄金色のいちょう、真っ赤な紅葉は圧巻でとても癒されました。一方で最近のコロナの新規患者数増加が気になっています。例年通りの手洗い・うがいとコロナ過での3密を避けることを心がけて乗り切りましょう!コロナの終息がまだまだ望めず、長期戦を覚悟しなければならないことも現実です。親は子育てだけに目を向けがちになりますが、無理をして頑張り過ぎると、子どもにも伝わり、逆効果になることもあります。自分自身の息抜きも考えてください。

2か月前、筑波大学の松島みどり准教授と助産師の調査で産後うつの割合(10%前後)が新型コロナウイルスの影響で、以前の倍以上(20%余り)という結果が出ました。コロナ過で人と触れ合う機会や外出する機会が極端に少なくなったことや経済的な不安などが影響していると考えられています。今月はコロナ過の影響で増えつつある「産後うつ」についてお話します。

 

「産後うつ」って?

 妊娠・出産は女性ホルモンの急激な変動もあり、からだの変化と同じように、心にも様々な影響が出てきます。特に出産後は育児中心の生活に変化しストレスもたまりやすく、心にもからだにも疲れが出てきて、情緒不安定になったり、子育てに自信を失ったりします。

 産後うつは出産後1~2週間から数か月頃に発症し、出産後の母親の約10%にみられます。「悲しい・憂うつ・楽しくない、家事・育児をする気力が出ない、将来の子育てに自信が持てない、理由もないのに涙が出る、食欲がない、赤ちゃんの世話が面倒に思える、いらいらする、赤ちゃんがかわいいと思えない、自分は母親失格だと自らを責める、眠れない、体力が戻らない、死にたい・消えてしまいたい」の症状があり、これらの症状が2週間以上続く場合は産後うつの可能性があります。

ちなみに「マタニティブルー」は涙もろくなることや抑うつや頭痛などの症状が出ますが、出産後2日~2週間ぐらいに起こり、10日ほどで自然に治まることが産後うつと違う点です。

 

「産後うつかも?」と思ったら

 産後うつの可能性があると感じているママはご自身が危険な状態にあることがわかっていないことも多く、パパや祖父母、周囲の方々の気づきが大変大切になってきます。また、診断も難しく、育児不安や育児の疲れと見逃されることも多いと言われています。

 妊娠中は産科のスタッフや市町村の保健師などに悩みや不安や相談をしたり、家族に自分の気持ちを話したり、過去にうつ病や双極性障害(躁うつ)などの精神疾患にかかったことがある方は産科医と相談し精神科と連携してください。

出産後は家事も育児も完璧を目指さず、ほどほどを心がけ、パパや友達・産科スタッフ・保健師などに相談しましょう。話をすることで気持ちが楽になることがあります。

 産後のママは精神的にも肉体的にも疲れていますので、パパはママが休養できる環境を作ってもらいたいです。ママがやり過ぎている場合はパパが積極的に家事・育児をしてもらうとママは大変ありがたく感じます。

 産後うつの予防はママだけの努力だけでは難しく、パパの理解と協力、さらに祖父母などの周囲の助けがとても大切です。

 厚生労働省の調査によると、2015年からの2年間で産後1年までに自殺をした妊産婦が少なくとも102人いて、がんや心疾患などを上回り自殺が最も多く、出産時の出血などによる死亡よりも多いことがわかりました。産後の自殺の原因では産後うつなどの精神疾患であることがわかっています。ママを守ることで将来を担う子どもたちが心身ともに健やかに育つことにつながります。

 最近、経験したケースでは子どもの受診時、ママから「朝起きることができず、何もやる気がでない。」という話を聞きました。さらに聞くと、この症状が1か月以上続いていることや家事を完璧に行う几帳面なタイプで、第2子が生まれたことと、コロナ過であったことが影響していて、産後うつが疑われました。そのため心療内科に紹介しました。カウンセリングや内服薬での治療・子育て支援施設(子育て支援センター)の利用もあり、以前より症状が和らいできています。

パパや周囲の努力をしても、ママの症状がなくならない場合は精神科や心療内科への受診をお勧めします。専門家からのアドバイスや薬物療法で症状が和らぐことが期待できます。産後うつは心の病気ですので医療機関での関りが大切です。最後に、産後のママは自分で頑張り過ぎますので、手を抜きながらパパと一緒に子育てを楽しんでくださいね。

 

参考文献

妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル 公益社団法人 日本産婦人科医会

産後うつ病 早期発見・対応マニュアル 長野県精神保健福祉協議会

 夏が終わったと思った途端に秋らしい日々が巡って来ました。コロナ禍における日々の診療の中で、風邪や胃腸炎のみならず、頭痛・腹痛・だるさなどの不定愁訴で受診してくるお子さんが増えています。マスク・消毒・手洗い・距離を保つといった子どもたちの新生活様式への負担等が原因として考えられます。お子さんが調子の悪さを訴えた場合、少し立ち止まって、家や園・学校での困りごとを聞くことでヒントが隠されています。しかし、原因がわかないこともありますので、その時はいつもより優しく対応しながら体を休ませて、それでも改善がみられなければ園・学校を休ませて一息つくことで改善する場合があります。不定愁訴の診察では親子の話に耳を傾けて、子どもの気持ちに寄り添うことを心がけています。

 半年以上にも及んでいるコロナ禍での生活で、家に閉じこもりがちになっていると思います。私も以前までと違い、家にいることが多くなりました。家族との触れあう時間が増えた一方で、家族以外と触れ合う時間が極端に減ってしまいました。それを補う工夫として、ネットを利用して家にいながら交流をするようになりました。今までのように学会や会議へ出向くことがなくなり、オンラインで行うようになり生活が一変しています。今月は、オンラインを上手に活用しながら経験した出来事を基にお話ししたいと思います。

 

県立大学でのオンライン授業

 昨冬に県立大学での授業の依頼を受け、コロナの影響で対面ではなくオンラインで行うように言われました。学生向けに授業をするのも久しぶりなのに、さらにオンライン授業で行わなければならず、困ってしまいました。オンライン授業の操作方法も未経験であり1人でやれる自信もなかったため、助けを求めることができる大学の教室で授業をしました。出欠の確認・グループワーク・生徒の意見を聞くことなど全て、自分で操作をしながら行いました。授業で話をすることも加わり、対面の時以上の緊張を強いられました。広い教室で私1人がパソコンに向かって話をしましたが、学生さんがどう思って聞いているのかわからず、不安でした。途中で「退出」ボタンを間違って押して授業が中断したといったハプニングもありました。ハプニングを救ってくれたのは学生さんでした。助けてくれてありがとう!

 

初のテレキャンプ参加

 「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」という難病は、麻しん(はしか)に感染してから数年の潜伏期間の後に発病し、発病後は数か月から数年の経過で神経症状が進行します。SSPEの家族の会が主催し、北杜市白州のあおぞら共和国で開催されるサマーキャンプに4年前から参加してきました。今年はコロナ禍のため、初めてオンラインを使ったテレキャンプが行われました。北は宮城県から南は沖縄県まで、これまで移動が難しく北杜市まで来ることができなかった方々の参加があり、過去最高の参加者数となりました。患者さんは寝たきりであるため、今回のようなテレキャンプの方が参加しやすいという良い面もありました。事前に郵送された配布物を利用しながらの工作・ビンゴゲーム・家族懇談会など楽しみながら、「一人ではない」ことを確認し合えたキャンプとなりました。

 

医療的ケア児のご家族とオンライン交流会

 私のクリニックに隣接する子ども園にある子育て支援センターでは、親子が集う場だけでなく、様々な行事も行っています。医師による子育て講演会や体験教室等、コロナ禍で休止しているイベントもありますが、子育てが少しでも楽しめるような場の工夫をしているようです。中でも医療的ケア児の家族の懇談会は、3年前より年3回実施しています。医療的ケア児とは人工呼吸器や胃ろう等を使用し、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な子どもたちのことを言います。今年はコロナ禍であるため、2回オンラインで開催してきました。運営者も参加者も慣れないオンライン交流会ですが、基礎疾患があるために感染症の影響を強く受ける家族にとっては、唯一の交流の場となったようです。参加者は主に母親でコロナ禍でのストレスをかかえながら、看護や兄弟の子育てに必死になっているという切実な話を聞き、共感して時に笑い時に涙しながら、リレートークしていきます。似た経験を持ち、同じ思いを共有できる同士だからこそ、互いに励まし合い次の交流会まで頑張ろうと話がまとまります。ここでも外出が難しい方にとってのオンライン交流の意味が理解できました。

今夏はコロナ禍であることもあり、お盆中の帰省やお墓参り等の外出も控えられ、家で過ごす人が多かったと思われます。お店に入る時、マスク着用が必要とされる中、マスクをしていないことに気づき度々車へ取りに戻る私です。

うちの娘の小学校では月末の運動会に向けて、リレーや例年と異なる棒体操の練習が始まり、クラスメートと一体になって取り組んでいる様子が楽しい話から伺えて、コロナ禍にありながらも行事の工夫に取り組んでいる先生方には感謝の念に堪えません。

文科省によると今年6~7月、全国の小中高校生でコロナにかかった児童生徒が242人、そのうち137人(57%)が家庭内感染、学校内感染は11人(5%)でした。学校内感染が大変少ないと思われますので、学校ではそれらの報告を基に、今までのコロナ対策を子どもたちや先生方のために適切な内容に緩和していくことが求められてきていると思います。私も経験がありますが、マスクをしながらの授業は息苦しさがありますので、マイクを使ったり、飛散防止フィルムなどを利用するなどの対策も考慮してもらいです。

今月はワクチンについて大きな変更点があり、ロタウイルスワクチンの定期接種化とワクチン接種間隔についての2つです。コロナ禍でよい知らせが少ない中、今月は皆様にとって良いお知らせを致します。

 

祝!ロタウイルスワクチン定期接種化

 これまではロタウイルスワクチンが任意接種であったため、自費扱いで家計の負担も相当でしたが、ようやく定期接種化が実現できました。無料接種の対象者は今年8月出生以降のお子さんです。

 乳幼児がロタウイルスにかかると、水のような下痢が何回も続き、嘔吐もみられます。胃腸炎の原因となるウイルスの中で、最も重症になりやすいのがロタウイルスです。ロタウイルスは胃腸の症状だけではなく、けいれんや脳炎の原因になることもあります。3歳までにはほとんどの人が感染し、最初の感染時に一番症状が重く、何度もかかるうちに軽症ですむようになります。

 ロタウイルスワクチンは飲むワクチンで、任意接種として始まり、すでに10年近くの実績があります。重症になるのを約90%防ぐことができます。私の経験ではこのワクチン導入前は冬の流行時期になると、内服治療だけでは治まらず、外来で点滴をしたり入院するお子さんが多かったのが、導入後は重症者が大幅に減り、点滴や入院する例があまり見られなくなったと実感しています。

 ロタウイルスワクチンは2種類あり、いずれのワクチンも生後6週から接種でき、4週間隔で2回または3回接種します。有効性はどちらも同じです。接種できる期間が短いので、初回接種を生後2か月の誕生日、遅くとも生後3か月半過ぎ(生後14週6日)までに受けましょう。生後2か月からできる他のワクチン(B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌ワクチン)と一緒に同時接種するとよいでしょう。副反応に腸の一部が腸の他の部分に入りこんでしまうという緊急性の高い病気である「腸重積」があります。接種後、特に1週間は腸重積の症状(泣いたり不機嫌になったりを繰り返す・嘔吐を繰り返す・ぐったりして顔色が悪くなる・血便が出る)がないか注意して、疑わしい場合は早く診察を受けるようにしてください。詳細はかかりつけ医に相談をしてください。

 

ワクチン接種の間隔について大幅な変更!

今月からワクチン接種の間隔が大きく変わりますのでご注意ください。今までは生ワクチンを接種してから4週間後、不活化ワクチンを接種して1週間後、次のワクチンを接種できました。

今月からその条件が緩和され、「注射の生ワクチン(BCG・麻しん風しん混合・水痘・おたふくかぜ)」間のみ接種してから4週間あけること以外は、その他のワクチンについては制限がなくなりました。ただし、同一ワクチンを複数回接種する際の接種間隔の制限は従来どおりです。

 今月から接種間隔が変更になっても、スケジュール通りの方は大きな変更点はないと思われます。未接種のワクチンがある場合、今まで生ワクチンを接種後4週間待たないと他のワクチンができませんでしたが、次に「注射の生ワクチン」以外のワクチンをするのであれば4週間を待たずに次のワクチンができるので、スケジュールを組みやすくなりました。数十年ぶりの変更でまだ慣れないので、かかりつけ医に確認しながらスケジュールを組んでください。

今年は特にインフルエンザの予防接種も例年以上に勧奨されています。自治体によっては接種費用を助成するところもありますので確認して早めに接種してください。

 

参考文献

VPDを知って、子どもを守ろうの会 https://www.know-vpd.jp/

今年の夏は猛暑続きで大変でした。海や山に出かけて様々な経験を楽しむ例年の夏休みと異なり、今年は多くが帰省せず、家で過ごしたご家庭が多かったと思います。我が家も休みは出歩かず、専らビニールプールで遊びました。いつもなら子どもを見守っているだけのプールも、あまりの暑さに人目を気にしながら親も水着になり楽しみました。

一方で甲府の小児初期救急センターの当番日で最高気温が35度を超えていた日に小学高学年の男子の受診がありました。酷暑の日中にサッカーの試合があったようで、頭痛・吐き気・顔面蒼白の症状がありました。疑うこともなく熱中症と診断、幸い症状がひどくないため、点滴せずに帰宅することができました。他のメンバーも何人か倒れたそうです。最高気温が35度を超えている日中にサッカーの試合をしていたことに驚きを隠せませんでした。子どもたちは大人の言われたようにしか動けません。暑さの中でのスポーツは控えて、子どもの命を大人が責任をもって守ってもらいたいと痛感しました。

 新型コロナウイルス感染症との関わりが半年にも及んできています。3密を避けて生活をすることで精神的にも疲れが出ていると思います。先月、WHOから世界中の保護者の方々へ「新型コロナウイルスから子どもの心を守る」という6つのメッセージが届けられましたので、これを参考に「子どもの心」のメンテナンスを考えていただけたら幸いです。

 

1.1対1の時間

 たったの20分でもいいので、調整できそうな時間帯に子どもと1対1の時間を取ってみましょう。子どもと向き合う時間を作ることで、子どもたちは愛情を感じ安心し自分自身を大切な存在だと感じることができます。

2.肯定的でいきましょう

 お子さんに対して「やめなさい!」と言うよりも、肯定的な指示を伝えたり、うまくできた時に褒めてあげたりするほうが、親を困らせるような態度は取らなくなっていきます。例えば、「おもちゃを散らかさないで!」ではなく、「おもちゃをちゃんとしまってほしいな」と言いましょう。声を荒げることで保護者も子どもも、よりストレスを感じイライラしてしまいますので、一呼吸置いて落ち着いた口調で話をしましょう。

3.新しい日課を作る

 コロナによって今までの日常が奪われてしまいました。これは子どもにも保護者にもとても厳しい現実です。日課をこなす時間と自由に過ごす時間をしっかりと決めましょう。こうすることによって子どもはより安心し、より良い行動をするようになります。

4.悪い行い

 子どもは誰しも悪い行いをしてしまう日はあります。疲れていたり、お腹が空いていたり、怖がっていたり、親から自立していく中ではよくあることです。悪い行いが始まる前に、楽しいことに興味を向けて気をそらしましょう。悪い行いがあったら、一度考えることも有効です。10秒間止まって考え、ゆっくり深呼吸を5回して落ち着いて対応しましょう。

5.焦らずにストレスマネジメント

 今はとてもストレスが溜まりやすい時期です。子どものサポートができるように、まずは親自身が自分を大事にしましょう。心の内を話せる相手を見つけましょう。休憩も取りましょう。

6.新型コロナウイルスについて話をする

 子どもとしっかりと話せる環境を作りましょう。自由に話せると子どもがどのくらいの知識をもっているかわかります。正直に、支えになってあげられるように、答えを知らなくても一緒に考えていくことが大切です。最後に子どもが大丈夫かを確認しましょう。子どものことを大切に思っていて、いつでも話を聞くよと伝えてあげましょう。

 

以上のことを踏まえて、日々の生活の参考にしてみて下さい。私たち保護者は、仕事に家庭に日々追われながら生活をしています。愛するお子さんのことばかりを考えて、自分の体や心のメンテナンスを疎かにしていると、心身を病んでしまい、子どもに笑顔で接することができません。子どもは保護者が笑顔で接することを望んでいます。子どものためにも、自分自身の笑顔でいられる状態を保ちましょう。

 

今年は特にインフルエンザワクチンをしましょう

 WHOからインフルエンザワクチンの重要性が強調されています。毎年流行するインフルエンザがおそらく今冬もやってくると思われます。今冬はコロナ・インフルエンザ両方の対応が必要になります。まだコロナのワクチンはありません。インフルエンザワクチンをしてまずインフルエンザ対策を考えましょう。ワクチン数は限られていますので、今年は早めに予約をしておくことをお勧めします。

 

参考文献

新型コロナウイルスから子どもの心を守る。WHOから世界中の保護者たちへ。https://covid-19-act.jp/parenting-who/

 令和2年7月の豪雨は各地に甚大な被害をもたらしました。今回の豪雨で被害に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げます。山梨在住の私の知人からは熊本の実家が今回の豪雨の被害に遭ったと聞きました。遠方のためすぐに行くこともできず、連絡が取れていない親族がいるようで、とても心苦しいと嘆いていました。

 一方で子どもたちはコロナのため夏休みが短くなり、園や学校行事が中止や縮小に追い込まれています。一部の学校の修学旅行が中止と知り、心が痛みました。修学旅行は一生に一度しか経験できないので、中止ではなく、校内や県内での宿泊などに変更しての実施を切望します。園や学校で開催される行事は子どもたちの大きな楽しみの一つであり、その経験は人間形成の上で大切です。

また、コロナが多く発生している東京では感染者個人が特定されないことでの気の緩みがある反面、県内は感染者が1人出るだけでも注目を浴びるため、都会の人よりも感染予防に気を配っています。都会での発生を止めなければ終息は望めません。もう一段階警戒レベルを上げる必要性を感じます。

先月、笛吹市のファミリーサポーターの方へ講演する機会がありました。コロナになってからは初めての講演であったため、マスクを着用して話をしていたところ、途中から話をするのに息苦しくなり、何度か呼吸を整えてゆっくり話をせねばならず、いつも以上に疲れてしまいました。次からはマスクではなく、ビニール製のパーテーションを用意して話をしようかと思いました。今月は常識になりつつあるマスク着用と今夏の熱中症対策について考えてみたいと思います。

 

2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!

 コロナ対策で多くの方がマスク着用をしており、中には小さなお子さんもマスクする姿が目立つようになりました。診察時、1歳のお子さんまでマスクをしている姿も見られ、お子さんのマスク着用について気になっていました。

今年5月末、「2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!」というメッセージが日本小児科医会から出されました。まず、2歳未満のお子さんはマスクをしないで大丈夫です。小さいお子さんは①呼吸する空気の通り道が狭いので、マスクをすることで呼吸しにくくなる ②呼吸や心臓への負担になる ③マスクによって熱がこもり熱中症のリスクが高まる ④マスクそのものや嘔吐物による窒息のリスクが高まる ⑤口周囲をマスクで覆うため、顔色や唇の色などの表情の変化の気づきが遅れるなどが心配されます。

2歳以上でもマスク着用をしなければならないことはなく、いやがり泣きながら着けることで熱中症になってしまっては本末転倒ですので、適度に外すことも意識しながら対応してください。「暑くて嫌だ、気分が悪い」という訴えがあった場合はマスクを外して休息しましょう。

 

マスクよりも2m離れる

 マスクはウイルス粒子をブロックすることはできず、会話などで人と人の間で唾液を介した飛沫感染を防ぎます。唾液のかからない距離(2m以上)で人から離れていればマスクをしても意味がありません。このため、なるべく2m離れることを意識すれば、マスクなしでもお子さんへの感染は防げます。

子どもは家族内感染と言われる同居する家族からの感染することがほとんどですので、私たち大人が3密を避けて感染しないことが子どもの感染予防につながります。

 

今夏の熱中症予防対策

 先日、河原で1歳ぐらいのお子さんを連れた家族が散歩していました。辺りに人影はなかったのですが、家族全員、マスクをしていました。1人で車を運転していてもマスクをしている方がいます。ずっとマスクをしていると熱中症のリスクが高くなりますのでご注意ください。

大人も子どももマスクをすると心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇し、身体に負担がかかるため、高温や多湿の環境下でマスクをすると熱中症のリスクが高まります。屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合はマスクを外すようにと厚生労働省から今夏の熱中症対策の指針が出ています。

 これから本格的な暑さが到来する中、2m離れていればマスクを適度に外すこと・のどが渇いていなくてもこまめに水分補給すること・エアコン使用中もこまめに換気をすることを意識して過ごしましょう。

 日本も世界でも感染者が増加傾向で、終息にはほど遠い状態です。ワクチンや治療薬が使用できるようになれば、今よりも感染を気にしないで済むようになります。ぜひ、その日が来るまで3密を避けましょう。私たち一人一人の意識で感染拡大を防ぐことができます。

 

参考文献:日本小児科医会ホームページhttps://www.jpa-web.org/

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html

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