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院長コラム

突発性発疹

小児科医から最新の医療情報と県内の子どもにまつわる情報をお伝えしております。
この内容は、県内子育て情報誌「ちびっこぷれす」の「午後10時、クリニックにて…〜おほしさまの先生からの子育て応援”談”!〜」に掲載されています。

生き物たちが活動し始める春がようやくやってきました。4月から新生活がスタートする方も多いのではないかと思います。新しい出会いもあるでしょう。わくわくしますね。一方この季節でやっかいなのは花粉対策です。私も花粉症で、目のかゆみ・くしゃみ・鼻水でつらい時期です。診断のポイントとしては、目のかゆみがでてきたら可能性大です。抗アレルギー薬の内服・点眼薬・点鼻薬の薬物治療だけでなく、花粉と接触を控える環境整備も大切です。あと1ヵ月でシーズンも終わりますので上手に乗り切りましょう。

3・11から1年が過ぎました。被災地ではがれき処理が放射能汚染の危険から手付かずのままです。また、避難している人が多数いて、原発の廃炉へのステップもまだまだ先が見えておりません。この1年でどの程度、復興したのでしょうか?復興や原発のことを自分のこととして受け止め、自分たちに何ができるかを常に考えていく必要があると思います。

今月はみなさんがよく知っている「突発性発疹」についてお話します。

 

突発性発疹とは?

生まれて初めての熱である場合が多く、突然高い熱が3日前後続き、解熱後、背中・お腹を中心に発疹がでてきます。発疹は赤く盛り上がらず、かゆみがありません。熱は通常3日前後ですが、5日も熱が続く時もあります。咳や鼻水はなく、発熱時は比較的機嫌がよいのですが、発疹時は逆に機嫌が悪く、親を心配させる時もあります。かかりやすい年齢は生後6カ月から1歳までがほとんどです。6ヶ月未満や2歳過ぎてかかる場合もあります。インフルエンザのような流行時期はなく1年中かかります。潜伏期間は約10日で、感染経路は母親などの大人からうつります。

診断は発熱時では確定できず、迅速検査もないため、解熱後の発疹で診断ができます。治療は原因がウイルスであり、抗生剤は効きません。かゆみがないため発疹に対しては軟膏も必要ありません。発疹がでているときは機嫌が悪いので、発疹が消えて食欲や機嫌がもどってから通園するようにしてください。

 

2度かかりますか?

 突発性発疹の原因ウイルスはヒトヘルペスウイルス6型・7型の2種類あります。1度かかる場合が多いのですが、一部のお子さんは2度かかります。1度もかからない場合もありますが、かからないことで心配する必要はまったくありません。

 

重症化することはありますか?

突発性発疹は熱がでて、発疹が消えるまで全体で1週間かかり、重くない印象をもっている方が多いと思います。しかし4~5日熱が続き、発疹時に機嫌がかなり悪くなり心配したり、熱性けいれんを合併したり、まれには脳炎・脳症が発症します。一番心配なのは後遺症の恐れもある脳炎・脳症の場合です。最近の全国調査では子どもの脳炎・脳症になりやすい病気で1番多いのがインフルエンザ・2番目は突発性発疹でした。突発性発疹にかかることで重症化するケースがあることを知ってください。

 

夜中の子どもへのかかわりについて

朝まで一度も起きない赤ちゃんも少数はいますが、多くは2~3度起きてママが対応していると思います。夜は横で旦那がいびきをかきながら寝ていると頭に来ることもあるでしょう。母乳の場合は座って授乳せず、寝ながら添い乳で十分です。夜間は母も寝ぼけながらの対応でOKです。

また、夜しっかりと起きてしまい遊びだすお子さんへの対応は、しばらくほっておくことが一番です。夜は真っ暗にして、寝てください。しばらくするとお子さんもあきらめて寝ます。親も一緒になって明かりをつけて起きることは昼夜逆転するのでお勧めできません。夜眠れなかったからと昼間に寝ているときにカーテンをして暗くしたり、掃除機をかけずに静かにしている場合もありますが、昼間は明るくして生活音は気にしないでください。

 

参考文献

国立感染症研究所 感染症情報センターホームページ:突発性発疹 2003年第28週号 http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_28.html

小児の急性脳炎・脳症の現状:ウイルス Vol.59 p59-66, 2009

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