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院長コラム

治癒証明書

小児科医から最新の医療情報と県内の子どもにまつわる情報をお伝えしております。
この内容は、県内子育て情報誌「ちびっこぷれす」の「午後10時、クリニックにて…〜おほしさまの先生からの子育て応援”談”!〜」に掲載されています。

春が待ち遠しくなってきました。今月は卒業、入学、仕事の移動など慌しくなりますね。最近、日本相撲協会の理事選挙で貴乃花理事が誕生したことが報じられました。貴乃花は一門を離脱して当選が難しいと言われた選挙で見事理事になりました。当選の裏には、普通であれば同じ一門に1票を入れるところを安治川親方が退職覚悟で貴乃花に1票を投じたそうです。相撲界をよくしようと一石を投じた安治川親方の勇気ある行動にとても感動し、私自身勇気をもらいました。

さて、新型インフルエンザの猛威は徐々に落ち着いてきたようです。変わって、嘔吐や下痢を伴う胃腸炎やRSウイルスにかかり咳や鼻水がひどくなる細気管支炎が流行っています。WHO(世界保健機関)によると、世界的にも新型インフルエンザの流行は昨年11月がピークで以降はおさまっています。気になる季節型インフルエンザの発生は今のところ世界的にもほとんどみられていません。

 さて今月は一部の病気で提出が必要な「治癒証明」についてお話します。

 

治癒証明書は健康な子どもたちを守るためのシステムです

 治癒証明書はふつうのかぜには必要ありませんが、インフルエンザ、溶連菌感染症、水痘、おたふくなどの病気には必要です。これは感染を広げるのを防ぐ目的があります。治癒証明書は集団生活を送っている健康な子どもたちを守るためのシステムです。何回か通院も必要になりますが、ご理解ください。

 

かぜなどの感染症は人にうつします

仕事などの事情で、「子どもの体調が少し良くなったから」と通園・通学させたいと思う気持ちは理解できます。しかし、結果としては他の子どもたちに病気をうつしてしまいます。ある園では新型インフルエンザの子が一人出たら、同じクラスの子どもたちに広がりました。みなさんの意識で、不用意な感染をさせないことも、子どもたちを守ることにとても大事なことだと思います。

 

病気になったら、しっかり休む

病気になっても園や学校に行くと病気が蔓延し、健康な子どもたちが感染してしまいます。感染症の多くは発熱を伴いますが、大抵熱は朝下がり、夕方から夜にかけて上がります。朝熱が下がったので園・学校に行き、昼過ぎに熱がでて呼ばれてしまったことはよく経験することではないでしょうか?前日の夜に熱があった場合は、翌日熱が下がりげんきになってきてもその日は休ませていただくと、本人の体も休めることができます。また他の子どもたちに病気を広げないですみます。いつもより1~2日多く休ませようという意識を持ってもらうと、お子さんの体が休まります。

 

園デビュー最初の1年目は病気をたくさんもらいます

最初の1年目、特に第1子のお子さんが園に行き始めると、急に病院通いすることがよくあります。病気が続くと親もたいへん心配になり、大きな病気になっていないかなど不安になります。冬はインフルエンザ、夏は夏かぜなどと季節によって流行る病気があり、最初の1年間は園で流行する病気をすべてもらってしまうかもしれません。ただ、2~3年経つと、病気をする機会が減ってきます。人間はある程度病気をして、そのウイルスや細菌に対する免疫を獲得していきます。4~5歳にもなりますとかなり病気は減ってきます。小さい頃の育児は本当にたいへんですが、皆同じような経験をして乗り越えています。

 

病気したらママだけがみることはない

園の行き始めとママの仕事始めが同時で、病気をもらい、病院通い、中には入院してしまうこともあり、家庭が大混乱に陥ることもあります。ママは仕事に家事に多忙ですね。子育てはママだけでは絶対無理です。パパと一緒に、さらに祖父母、地域のサービス(ファミリーサポート、病児保育など)を利用しながら子育てをすることが必要です。うちは一番下が小学生になり、やっと病気も減り育児が楽になってきました。

 

まれな園での対応に疑問!

治癒証明書は健康な子どもたちを守るためのシステムです。園によっては保護者の利便性(?)のためか、治癒証明書を必要としない園がありましたが、疑問を感じています。また、治癒証明書が医師の署名を必要とせず、保護者のサインのみで可能な幼稚園がありました。このシステムですと、保護者の勘違いや偽造(ないと思いますが)による集団感染の恐れがあります。皆さんのお子さんが通っている園・学校ではどのような対応になっていますか?

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