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院長コラム

小児科医から最新の医療情報と県内の子どもにまつわる情報をお伝えしております。
この内容は、県内子育て情報誌「ちびっこぷれす」の「午後10時、クリニックにて…〜おほしさまの先生からの子育て応援”談”!〜」に掲載されています。

 新年度が始まり、G・Wも終わり新しい生活リズムや人間関係には慣れたころでしょうか?先月、アメリカが北朝鮮に武力行使を検討、ミサイルが日本にもやってくるなどの報道がなされ、不穏な状況になっています。他人事ではなく隣国との関わりについてより一層の関心を持たねばなりません。最近、うちの4歳の娘にたかいたかいを何度もしていたところ、右肩を痛めてしまいました。50歳に近づいている私の右肩には大きな負担でした。体を労わりながら子育てをしていきたいと思います。
 今月は「PFAPA症候群」というあまり聞いたことがない病気についてお話します。ここ数年前、うちのクリニックでこの病気にかかっている2名のお子さんに出会いました。毎月のように高熱が4~5日続き、学校や園を休まねばならず、本人も家族もこの病気に悩まされています。

PFAPA症候群とは?

 PFAPAはPeriodic fever(周期性発熱)・aphthous stomatitis(アフタ性口内炎)・pharyngitis(咽頭炎)・cervical adenitis(頸部リンパ節炎)の略で、PFAPA症候群という病気は、周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・頚部リンパ節炎の4つの主症状があり、乳幼児期に発症する「自己炎症性疾患」です。関節リウマチなどの膠原病などの「自己免疫疾患」と違って、自己炎症性疾患は1999年に提唱されたばかりのまだ新しい概念で「自分で勝手に炎症のスイッチが入ってしまう」病気で原因や治療もまだ確立はされていない分野です。これから研究が進むことで病態解明されることが期待されています。
 PFAPA症候群は、5歳以下で発症することが多く、約1か月に1回の頻度で反復する発熱を認め、発熱期間は約5日程度、40度近い熱が出ます。発熱時はぐったりすることもあります。咽頭炎・口内炎・頸部リンパ節炎などの症状があり、感冒と診断されてしまう場合があります。正常な発育・発達で、発熱していない時はまったく普通の生活ができています。重い合併症は少なく、小児期に自然寛解することが多く、家族の半数で反復する発熱・扁桃摘出術をした人がいます。約1か月に1度、周期的に熱がある場合はPFAPA症候群を疑う必要があります。
 治療法は、大きく3つ挙げられます。一つ目は胃酸抑制薬(シメチジン内服)で約50%の有効性が認められます。二つ目はステロイド薬ですが、飲むと数時間で熱は下がりますが周期が短くなるデメリットがあります。三つ目は扁桃摘出術で100%近い効果がありますが、全身麻酔下で手術になります。そのため子どもの年齢や症状に応じた治療を考えていきます。この病気は医療者側にもまだ認知が低く、風邪と診断され、無効な抗生剤を投与することもあります。

当科でのケース

 この病気の2人は診断にたどり着くまでに家族がネットなどで情報収集しながら、いくつもの病院を受診して診断が診断がつきました。当クリニックで対応した小学校高学年のお子さんは、周期が約30日で熱が出ると5日間、39~40度の高熱が続き、口内炎を認めました。高学年にもなるとカゼをひくことも少なくなり、発熱すると大抵この病気の発症でした。その都度、病院受診し血液検査を受けていました。本人も病気のことがわかっていて繰り返される熱に落ち込んでいました。発熱時はつらいようで、学校を休み自宅で過ごします。勉強にも支障がでてきますし、中学校のことも考えるといつ頃病気が治るのか不安な日々だったそうです。現在はシメチジンを飲んでいますが、効果はあまりないようで、ステロイド薬は周期を短くするため積極的には内服していません。効果が期待できる扁桃摘出術は全身麻酔での手術に対して本人の不安があり、悩んでいます。そろそろこの病気が治るのではないかという期待と不安が入り混じっていました。子どもが成長するにつれて本人の意思も大切であるため、ご両親の悩みも大きいようでした。
 皆さんにこういった病気があって悩んでいる方がいるということを知っていただけたら幸いです。

参考文献

古本雅宏, 他:PFAPA症候群100例の臨床像. 日本小児科学会雑誌119:985-990, 2015

 桜も散り、新緑があふれる気持ちのよい季節になりました。休日は4歳になる娘とよく公園に行きます。ブランコが好きで何度も押してあげると喜んでいます。反面大学生の息子2人は大学生活を満喫しているようで、連絡してもなかなか返答してくれません。「遊んで!遊んで!」とまとわりついていた子どももやがて親離れします。パパ、ママと言ってくれる貴重な時期に子育てを楽しんでください。
 先月、生後6か月児がハチミツ入りジュースで亡くなったという小児科医としては大変残念な事故が報道されました。今月はこの事故を受けて改めて乳幼児を育てる上での注意点を確認したいと思います。

生後6か月児、ハチミツ入りジュースで死亡

 今年2月、東京で生後6か月の赤ちゃんがハチミツ入りのジュースを飲んで亡くなりました。離乳食として発症1か月前から毎日、市販のジュースにハチミツを混ぜて与えていたそうです。けいれん・呼吸不全等の症状を呈し、医療機関に救急搬送され、翌日に別の医療機関へ転院しました。検査の結果、便及び自宅に保管していたはちみつから、ボツリヌス菌が検出され「乳児ボツリヌス症」と診断されました。死亡例は国内で初めてだそうです。1歳未満の乳児は消化吸収の機能が未発達のため、菌が増殖されやすくなります。ただし、授乳中のママは摂取しても大丈夫です。情報が氾濫している時代、ネットではハチミツ入り離乳食レシピが紹介されていました。適切な情報収集について考えさせられる出来事でした。

窒息事故に注意!

赤ちゃんは何でも口に入れてしまいます。口がふさがってしまうと息ができず死亡することもあります。寝返りがままならない乳児には柔らかい布団の使用でうつぶせになって口がふさがれる、食べ物ではピーナッツなどのナッツ類、枝豆、あめ、ミニトマト、こんにゃくゼリー、キュウリ・にんじんなどのスティック、キャラメル、ポップコーンなどは形状や素材の特性により気管につまり窒息の危険があります。

食べ物以外にも、おもちゃのスーパーボールを飲み込む、コンビニの袋を頭にかぶったり、電気コード、カーテン・ブラインドのひもを首に巻きつけて窒息する危険があります。これは今までの事故を分析した結果から報告されています。過去の報告を活かして同じ過ちをおこさないことが大切です。合わせて誤飲で問題になるのがタバコ・医薬品・ボタン電池などです。子どもの手が届かない所に置きましょう。

溺水が家庭の浴槽で起こる!

溺水により毎年300人前後の子どもが亡くなっています。特に1歳前後の子どもが家庭の浴槽で溺水しています。わずかな残り湯も溜めない・1人や子ども同士だけで入浴させない・ママの洗髪中は子どもを浴槽から出すといった配慮で溺水の事故が防げます。わずか10cm溜めた水でも溺水が起こりますので、子どもが幼い時期には入浴後は残り湯を溜めないで下さい。

熱傷をさせないために

 テーブルの上にある味噌汁・カップラーメン・お茶・コーヒーなどの入った器をこぼして、熱傷を負うケースをよく目にします。テーブルにテーブルクロスが敷いてあるとより危険です。ポットや炊飯器の蒸気・アイロン・ストーブ・グリルの蓋・整髪用の電気ゴテ・コンセントを入れたままの電気コードのプラグを舐めて口を痛めることもあります。予防としては、テーブルクロスは子どもが小さい時は使用しない・テーブルに置く熱い物は子どもの近くに置かない・ポットや炊飯器は子どもが届かない場所に置くなどの対策が必要です。熱傷は痛みが強く、瘢痕を残す場合もあります。熱傷した場合はまずしっかり冷やしてください。
 1~19歳までの死因トップは不慮の事故です。この事故は保護者の注意で約6割防げると言われています。安全な環境で安心して子育てをしましょう。

祝!6市町村が病児保育事業、相互利用へ

 病児・病後児保育施設を利用するには、住所によって利用が制限されていました。4月から甲府市、甲斐市、笛吹市、南アルプス市、中央市、昭和町の6市町村が協定を結び、6市町村の方は相互利用できるようになりました。全国的にも相互利用はまだ進んでいません。全国に先駆けて山梨県では少しずつ子育てしやすい環境が整備されてきていると感じます。今後、他市町村でも利用が広がることを期待します。

参考文献

厚生労働省ホームページ ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから
子どもの事故と対策 日本小児科学会小児救急委員会

 先月娘と上野動物園に行きました。パンダの園舎を見に行くと、えさが高い所にぶらさげられ、それを食べようとパンダが立ち上がり2足歩行をしている姿を見て驚きました。冬で寒いせいか人が少なくゆっくりと過ごせてよい思い出になりました。
 さて今回、森友学園の問題で「教育勅語」が話題になりました。教育勅語は日清戦争が始まる4年前の1890年に発表されました。内容は親孝行や夫婦円満などを説いていますが、最後の12番目に「いざとなれば国民は天皇のために国家に身をささげよ」とあります。子どもたちはこの教育を受けて、日本が軍国主義に進んでいった背景があります。戦後は主権が天皇から国民に変わり、教育勅語は廃止されました。現在の憲法にそぐわないのは明らかです。
 今月は私が子育ての話をするときによく使う「女性の愛情曲線」についてお話します。これを知ってパパが子育てに積極的になって幸せな家庭を築いてもらいたいです。

女性の愛情曲線とは

 「女性の愛情曲線」とは東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜さんが、女性にライフステージごとに愛情の配分先の変化を調査したグラフです。結婚直後はもちろんトップは「夫」ですが、子どもが生まれるとトップは「子ども」になり、夫への愛情が急激に下がります。その後子どもが小・中・高校と成長するにつれて、夫への愛情が徐々に回復していくグループ(回復グループ)と回復せず低迷していくグループ(低迷グループ)に二極化します。子育てが大変な乳幼児期に「夫と2人で子育てをした」場合は回復グループ、「ママが1人で子育てをした」場合は低迷グループになりました。乳幼児期にパパとママで一緒に子育てをすると、子育てを終えた後も2人で愛情に満ちた生活ができることがわかりました。

回復グループになるために

 私は5人の子どもを持ち子育て歴21年、まだ4歳の娘がいる現役のパパです。第1・2子までは子育てをしていたかと言えば、お風呂に入れたり、おむつ替えはしましたが、十分ではありませんでした。第3子以降は転勤先で核家族での子育てだったため、やらざるを得ないということもあり徐々に積極的になりました。今では朝起きて、食事の準備や娘のお相手をして出かける前には「高い、高い」をして、仕事が終われば、まっすぐに帰り娘とお風呂に入ったり、家族で夕食を食べ、寝る前にかくれんぼをしたりして寝ます。今しかできないと思い、子育てを楽しんでいます。余暇は長生きするためにランニングで体を鍛えています。それ以上は今はせず、子どもが大きくなってからと考えています。3歳まではとても手がかかります。それ以降は徐々に手がかからなくなり、中2の四男は友達と遊ぶことが主になり、親離れが進んでいます。うちには中2と高2もいますが、休日一緒に遊んでくれる子は4歳の娘のみです。私は回復グループを目標に子育てをしています。パパたちも子育てに積極的になり、1人でも多くのパパに回復グループに入って欲しいと期待しています。パパの中には仕事を第一に考え子育てをマイナスに思っている人もいるかもしれません。子育てをすることで子どもやママも気持ちもわかるようになり、その経験があることで上司になった時に部下の気持ちもわかるようになります。損なことは一つもありません。懐の深い上司になれます。低迷グループに入ると、家庭に居場所がなくなり、離婚・精神的な不安定から体を壊す・仕事がうまくいかなくなるといった負のスパイラルに陥ります。
 人生80年の中たった6年間(期間限定)しか子育てを楽しめません。今しかできない子育てを楽しみましょう。子どもはやがて巣立っていくので、回復グループに入って大好きで結婚した妻と老後まで一緒に過ごしましょう。

 6年前の3月11日、東日本大震災・福島の原発事故が起きました。最近、福島から自主避難していた生徒が恐喝されいじめを受けたという報道があったり、数十年かかるといわれている廃炉作業は今も続いています。3・11により原発は一度事故を起こすと大変なことになるということを経験しました。昨年、テレビで小泉元首相が脱原発について「どんな機械も故障する。原発も故障する。原発が故障すると多額のお金がかかり、原発が作る核のゴミの最終処理について決まっていない。今まで電気が足りなくなるため原発を建設してきたが、原発事故後でも原発なしで停電しなかった。原発を止め、自然エネルギーにシフトする必要がある」と語っていました。私も同感です。これからもエネルギー問題には関心を持ち続けていきたいと考えています。

さて、来月からお子さんが入園する予定のご家庭も多いかと思います。今月はその準備に慌ただしい日々を送っているのではないでしょうか。ママも仕事始めで職場の人間関係や仕事がうまくいくか不安を感じていると思います。4月からよいスタートができるためのアドバイスをします。

早寝・早起き・朝ごはん

 文部科学省が推進している国民運動「早寝早起き朝ごはん」は子どもたちが健やかに成長していくためにとても大切です。入園準備として、早寝・早起きの習慣を身につけましょう。生活リズムを修正するコツはまず早く寝かせることです。誰か起きているとお子さんが落ち着かないので、パパもママも一緒に寝ましょう。起床後、カーテンを開けて部屋を明るくすると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられ自然に覚醒してきます。なかなか起きない旦那さんにも効果があります。そして起きたら必ず朝食をとりましょう。早寝・早起きをしてリズムを整えると、朝ご飯もおいしく食べられます。私も娘(4歳)と一緒に夜9時に寝て、朝早めに起きています。

慣らし保育は大切!

 4月初めは「慣らし保育」というものを行ないますが、これは親子にとってとても大切です。最初、園に慣れるために短時間お預かりして、徐々に増やしていきます。今まで家にずっといたお子さんが知らない保育士や園児さんと接するのですから、ストレスを受けますし、お預かりしてもしばらく泣いてしまうお子さんもいます。親御さんからすると預けた時に泣かれるととても切ない気持ちになりますが、少し経つと泣き止み、遊び始めますのでご安心ください。園では保育のプロである保育士が対応し、園児同士での刺激も多くあり、子ども自身も成長していきます。親から離れている時は緊張もしますので、家にもどってきたらいつも以上のスキンシップをお願いします。できる限り抱っこやおんぶをしてください。時間がない場合、短時間でいいので意識してその子に向き合う時間を作ってください。家庭に余裕がなくなりますので、パパも送り迎え・早く家に帰る・家事を増やすなどの心がけが大切です。

こどもが病気になったら

 今まで熱を出したこともなかったお子さんが園に入ると、あまり免疫がないので急に発熱したり吐いたり下痢をしたりといろいろと病気をもらってきます。最初の1年間は園で流行る病気を全部もらってしまうかもしれません。病気が悪化すると入院する必要も出てきます。入院すると2週間前後は園を休むことになります。園に行く当日の朝に熱が出たり、登園後呼び出しがあったりする場合があります。その時にどうするか、夫婦・家族で話し合っておくとよいでしょう。うちの娘(4歳)の場合、最近病気は減ってきていますが、急変時はおじいちゃんが対応、または病児保育室の利用をしています。

予防接種はお済みですか?

 入園すると園で流行している病気にかかり、入園後から予防接種を予定していると接種時期が遅れてしまいます。入園前の体調がよい時期に予防接種を積極的に受けましょう。母子手帳をみて確認してください。任意接種であるロタウイルスワクチンやおたふくかぜワクチンもお勧めです。

予防接種受けない園児、受け入れ拒否

 先月、新潟市の私立保育園で4月から認定こども園への移行を機に定期予防接種を受けていない園児を受け入れない方針を出し、国は「未接種を理由に受け入れ拒否はできない」と見解を示しました。園長は予防接種することが子どもや妊娠している保護者や保育士の健康を守るため、集団生活をする上でのマナーであると言っています。私自身も園の方針に大賛成です。保育園はたくさんのお子さんが集う集団生活をしています。園長には園児の健康を守る責務があります。

 先月中旬、中2の息子がインフルエンザにかかり、高2の息子がうつされました。続けて東京生活していた大学生までが同じ時期にかかり急遽、自宅に戻り療養、3人ともダウンし看病しました。息子達は6年振りにかかりました。ただ、予防接種や抗インフルエンザ薬のおかげで状態はそう悪くならずに済みました。2日も経つと、早く学校に行きたいと言い出し安心しました。まだまだインフルエンザ流行中です。手洗い・うがいを励行し乗り切りましょう。    そして昨秋、うちのクリニックで開業12年にして初めてのことがありました。なんと幼い頃からみていたお子さんがママになり、患者さんとしてお子さんを連れてきました。長年、診療してきて言葉にはならない感動を得ました。小児科冥利につきる瞬間でした。今月は3歳児健診や園・学校で行なっている尿検査についてお話しします。

腎臓の役割

 腎臓はおへその後ろあたりに左右に1つずつあり、握りこぶしほどの大きさで1個150gほどの臓器です。体液・電解質・酸塩基・血圧の調節や老廃物を尿として排泄していたり、強い骨の維持や貧血の防止にも関与しており、体を正常な状態に保つ大切な臓器です。また、肝臓などと違って、ダメージを受けると再生する力がありません。もともと腎臓は大きな予備力を持っていて、普段は4分の1程度の働きで機能しており、症状がでた場合は腎臓の予備力がほとんどない状態になっていることから、検尿によって症状がでていない腎臓の予備力に余裕があるうちに腎炎などの病気を発見することが大切です。腎臓の機能が低下すると生活習慣や食事に気をつけていく必要があり、将来、透析や腎移植が必要になる場合もあります。透析とは老廃物や水の排泄を腎臓に代わって行う治療で週に何日か病院で行われ生涯続きます。

園や学校の検尿は大切!

 学校検尿は昭和49年から始まり、現在、3歳児健診・園・学校で定期的に行われ、主に腎炎の早期発見に役立っています。検尿の制度が始まったことで、尿量が増える・目のまわりや足のむくみ・疲れやすい・食欲がない・息切れなどの症状がでる前の早期に病気が発見できるようになりました。腎臓病についての治療や管理の方法が進歩したことで、早期に発見された腎炎は多くが治療可能で腎炎の予後が改善しています。平成11年の調査で学校検尿を受けた世代の新規透析導入患者数が減少したという結果が発表されています。

尿検査で異常を指摘されたら

尿検査では潜血・蛋白・糖を調べます。潜血と蛋白で腎炎、糖で糖尿病を発見していきます。慢性の腎臓病が見つかる割合は、血尿(潜血)単独陽性者中5%、蛋白尿単独陽性者中10%、血尿と蛋白尿両方陽性の場合70%と言われており、血尿と蛋白尿が両方みられる場合は高頻度で病気が発見されます。このため、尿異常があれば必ず腎臓病というわけではなく、精密検査をしなければ病気かどうかはわかりません。
 尿糖がでた場合、糖尿病だけでなく、糖尿病と違って血糖値が正常で尿に糖が出る腎性糖尿という場合もあり、血糖やブドウ糖負荷試験などの精密検査が必要になります。

尿を取るときの注意点

 前夜、寝る直前にトイレに行き、起床後はすぐに採尿してください。潜血が陰性化する恐れがあるため、前夜はビタミンCが入ったお茶、ジュース、薬は避けましょう。お子さんの場合、寝ている時には尿が出ず、起きている時にたんぱく尿がある状態を起立性たんぱく尿(体位性たんぱく尿)とよびます。治療の必要はありません。採尿時、出始めの尿ではなく、排尿途中の尿(中間尿)を取ってください。さらに前日に採尿をしてしまうと、時間を置くことで細菌が繁殖して蛋白が陽性になったり、血尿が消失したりします。
 最後に、腎臓は再生する力がない臓器であるため、大切に扱っていくことが必要です。尿検査で異常を指摘された場合、症状がでていないから大丈夫と考えるのは早計です。継続的に経過をみていく必要がありますのでかかりつけ医にご相談ください。

参考文献

学校検尿のすべて 日本学校保健会

山梨県小児科医会ホームページ

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