• げんき夢こども園:055-268-5577
  • げんきキッズクリニック:055-268-5599ご予約はこちら
image

院長コラム

令和2年10月号(Vol.185)
祝!ロタウイルス定期接種化で子どもたちを守ろう!!

2020/10/01(更新日)

今夏はコロナ禍であることもあり、お盆中の帰省やお墓参り等の外出も控えられ、家で過ごす人が多かったと思われます。お店に入る時、マスク着用が必要とされる中、マスクをしていないことに気づき度々車へ取りに戻る私です。

うちの娘の小学校では月末の運動会に向けて、リレーや例年と異なる棒体操の練習が始まり、クラスメートと一体になって取り組んでいる様子が楽しい話から伺えて、コロナ禍にありながらも行事の工夫に取り組んでいる先生方には感謝の念に堪えません。

文科省によると今年6~7月、全国の小中高校生でコロナにかかった児童生徒が242人、そのうち137人(57%)が家庭内感染、学校内感染は11人(5%)でした。学校内感染が大変少ないと思われますので、学校ではそれらの報告を基に、今までのコロナ対策を子どもたちや先生方のために適切な内容に緩和していくことが求められてきていると思います。私も経験がありますが、マスクをしながらの授業は息苦しさがありますので、マイクを使ったり、飛散防止フィルムなどを利用するなどの対策も考慮してもらいです。

今月はワクチンについて大きな変更点があり、ロタウイルスワクチンの定期接種化とワクチン接種間隔についての2つです。コロナ禍でよい知らせが少ない中、今月は皆様にとって良いお知らせを致します。

 

祝!ロタウイルスワクチン定期接種化

 これまではロタウイルスワクチンが任意接種であったため、自費扱いで家計の負担も相当でしたが、ようやく定期接種化が実現できました。無料接種の対象者は今年8月出生以降のお子さんです。

 乳幼児がロタウイルスにかかると、水のような下痢が何回も続き、嘔吐もみられます。胃腸炎の原因となるウイルスの中で、最も重症になりやすいのがロタウイルスです。ロタウイルスは胃腸の症状だけではなく、けいれんや脳炎の原因になることもあります。3歳までにはほとんどの人が感染し、最初の感染時に一番症状が重く、何度もかかるうちに軽症ですむようになります。

 ロタウイルスワクチンは飲むワクチンで、任意接種として始まり、すでに10年近くの実績があります。重症になるのを約90%防ぐことができます。私の経験ではこのワクチン導入前は冬の流行時期になると、内服治療だけでは治まらず、外来で点滴をしたり入院するお子さんが多かったのが、導入後は重症者が大幅に減り、点滴や入院する例があまり見られなくなったと実感しています。

 ロタウイルスワクチンは2種類あり、いずれのワクチンも生後6週から接種でき、4週間隔で2回または3回接種します。有効性はどちらも同じです。接種できる期間が短いので、初回接種を生後2か月の誕生日、遅くとも生後3か月半過ぎ(生後14週6日)までに受けましょう。生後2か月からできる他のワクチン(B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌ワクチン)と一緒に同時接種するとよいでしょう。副反応に腸の一部が腸の他の部分に入りこんでしまうという緊急性の高い病気である「腸重積」があります。接種後、特に1週間は腸重積の症状(泣いたり不機嫌になったりを繰り返す・嘔吐を繰り返す・ぐったりして顔色が悪くなる・血便が出る)がないか注意して、疑わしい場合は早く診察を受けるようにしてください。詳細はかかりつけ医に相談をしてください。

 

ワクチン接種の間隔について大幅な変更!

今月からワクチン接種の間隔が大きく変わりますのでご注意ください。今までは生ワクチンを接種してから4週間後、不活化ワクチンを接種して1週間後、次のワクチンを接種できました。

今月からその条件が緩和され、「注射の生ワクチン(BCG・麻しん風しん混合・水痘・おたふくかぜ)」間のみ接種してから4週間あけること以外は、その他のワクチンについては制限がなくなりました。ただし、同一ワクチンを複数回接種する際の接種間隔の制限は従来どおりです。

 今月から接種間隔が変更になっても、スケジュール通りの方は大きな変更点はないと思われます。未接種のワクチンがある場合、今まで生ワクチンを接種後4週間待たないと他のワクチンができませんでしたが、次に「注射の生ワクチン」以外のワクチンをするのであれば4週間を待たずに次のワクチンができるので、スケジュールを組みやすくなりました。数十年ぶりの変更でまだ慣れないので、かかりつけ医に確認しながらスケジュールを組んでください。

今年は特にインフルエンザの予防接種も例年以上に勧奨されています。自治体によっては接種費用を助成するところもありますので確認して早めに接種してください。

 

参考文献

VPDを知って、子どもを守ろうの会 https://www.know-vpd.jp/

ページトップ