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院長コラム

医療

小児科医から最新の医療情報と県内の子どもにまつわる情報をお伝えしております。
この内容は、県内子育て情報誌「ちびっこぷれす」の「午後10時、クリニックにて…〜おほしさまの先生からの子育て応援”談”!〜」に掲載されています。

皆さまはG・Wどのように過ごしましたか?我が家は久々に一日だけですが家族7人全員で過ごすことができました。河原で野球をした後、兄弟で短距離走をすると言ったので、私も調子に乗って参加しました。10数年前、中学生だった子どもと短距離走をしたところ、走っている途中で足がつって肉離れを起こしたことを思い出して気をつけて走りましたが、再び足がつってしまいました。年を重ねても懲りない私です。

 国立健康危機管理研究機構によると、5/8現在、全国のはしか感染者数は462人と昨年の4倍の勢いで増えています。山梨県では4月に3人かかりましたが、その後新たな発生報告はありません。私たちができることは、定期接種の対象である1歳児と年長さんは早めにワクチンを接種すること、さらに未接種または接種歴がわからない大人の方は麻しんのワクチン接種をしてください。

 4月「ワクチンJAPAN(エムスリー株式会社)」というサイトが昨年7月開設されました。このサイトではHPV(子宮頚がん)ワクチンの接種状況を月次および都道府県別のデータが載せてあります。都道府県別のデータで山梨県の接種率がなんとワースト2ではありませんか!その事実を知り、大変衝撃を覚えました。他人ごとではない、なんとかしなければいけないと情報収集をし、行政担当者・学校関係者・医療従事者が一丸となって、対象者とその保護者に現状を伝える必要が早急にあるのではないかと痛感しています。

今月はHPVワクチンの現状をお伝えします。

 

子宮頸がんとHPVワクチンについて

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんをはじめ、肛門がん・膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

子宮頸がんは国内で毎年約1.1万人かかり、約3,000人が亡くなっています。他のがんと比較して、若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんです。HPVの感染を予防できるのがHPVワクチンです。HPVワクチンの接種だけで、子宮頸がんの発症を完全に防げるわけではありません。20歳を過ぎたら、2年に1度の子宮頸がん検診を受けましょう。9価のHPVワクチンは子宮頸がんを80~90%予防できます。小学6年生~高校1年生の女子が公費(原則自己負担なし、実費では1回3万円となります)で接種することができます。

 

HPV接種後に症状が出た場合

HPVワクチン接種後には、多くの方に、接種部位の痛みや腫れ・赤みなどが起こることがあります。また、まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)が起こることがあります。

接種後に症状が出た場合は、まず接種を受けた医師に相談をしてください。より専門的な診療が必要な場合は協力医療機関として山梨大学医学部附属病院(産婦人科:055-273-9871)が対応していますのでご相談ください。

 

山梨県のHPVワクチン接種率はワースト2!

 ワクチンJAPANによると、全国のHPVワクチン接種率は55.8%(2024年度)、都道府県別の接種率では山梨県が42%(2025年度)とワースト2でした。山形県が74%(第1位)、30%以上の開きがあり、隣県の長野県は57%(17位)です。山梨県において接種率が低いことは私も含めた医療・行政・学校関係者のアピール不足ではないかと思い、反省をしています。

 全国的に接種率の高い自治体の取り組みとして、4月に富山県議会議員で産婦人科医の種部恭子先生の講演会を聞く機会がありました。その中で「学校で性教育の話の中にHPVワクチン接種がとても大切であることを学生に伝える」「保護者にもPTAを通じて保護者説明会などで話す機会を設ける」「性教育の場で男子にHPVワクチン接種によりイボ(尖圭コンジローマ)を予防できることを伝えている」などを知り、富山県の接種率が63%(全国7位)と高い理由を理解することができました。

 もう一つ、宮崎県(接種率62%、全国10位)の取り組みでは、接種実施率が高い市町村ほど、個別通知・学校との連携・広報を実施しています。接種動機をアンケート調査した結果からは、「市町村からの通知」「医療機関・保護者の勧め」「友人の接種」「学校での講演会」が有用であることがわかっています。

これまで以上に、HPVワクチンの大切さを子どもたちとその保護者に伝えることは行政・学校・医療機関の責務ではないかと強く感じています。

まずはできるところから一緒に動き始めませんか?

 

参考文献

HPVワクチン 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html

子宮頸がんとHPVワクチンについて 山梨県

https://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/kansensyou/hpv-vaccine.html

ワクチンJAPAN

https://vaccine-japan.com/

宮崎県庁における 子宮頸がん予防(HPV)ワクチン普及啓発に 係る取組とその効果の検証https://www.msuisin.jp/report/02_%E6%B3%89%E6%91%A9%E4%BE%9D%EF%BC%88%E9%83%BD%E5%9F%8E%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%89%80%EF%BC%89_1.pdf

 

 

 新年あけましておめでとうございます。

皆さんは2025年をどんな年にしたいですか?私自身は患者さんのために診療に励むこと・病児保育・医療的ケア児のデイサービス・訪問診療にも変わらず関わっていきたいと思っています。プライベートでは子どもが3人巣立ち、第4子が県外で大学生をしていて経済的な負担があるので、留年しないことを祈っています。第5子は今春中学生になり、新たな生活が始まります。子育てが早く終わって欲しいと思う反面、子どもが巣立っていく心の寂しさを感じています。 残された私と妻で相手をリスペクトしながら生きていきたいと思っています。

 2024年11月末、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチン(HPVワクチン)について新たな救済措置が発表されました。接種機会を逃した女性(1997~2007年度生まれ)を対象にした救済措置「キャッチアップ接種」の期間を2025年3月末までに1回でも接種した方は、2026年3月まで2~3回目の接種を公費で認められるようになりました。対象者でまだ未接種の方がいましたら、母親の思いではなく、ご本人自身で接種するかの情報収集をして判断してほしいと願っています。なぜなら、ご本人が将来、かかってしまうかもしれない病気だからです。

 今月は「チック症」についてお話します。チック症は5~10人の1人が経験、「くせ」の一つと見逃されがちな面がある一方で、長期間にわたって激しい症状が続き、生活に支障をきたすこともあります。2024年2月発刊された「小児チック症診療ガイドライン」を基に皆さんにお伝えします。

 

チック症とは

 チックは突発的・急速・反復性・非律動性の運動または発声と定義され、発達障害者支援法の対象となります。原因はわかっておらず、育て方やストレスのみが原因で起こるわけではありません。生まれつきチックが出やすい素因があり、そこにストレスの影響が加わり、遺伝と環境の相互作用で生じると考えられています。

チックには運動チックと音声チックがあり、持続が短く明らかに無意味な単純チックと持続がやや長く意味があり目的性があるようにみえる複雑チックに分けられます。単純運動チックは目をぱちぱちする・ぎゅっと目をつぶる・首を振る・肩を上げる・手を振る・顔をしかめる・口を開けるなどがあり、複雑運動チックは手でたたく・ジャンプ・触る・手の臭いをかぐなどがあります。そして、単純音声チックは喉をならす・ぶっと音を出す・カン高い音・鼻をすする・咳払いなど、複雑音声チックは他人や自分の言葉や汚い言葉を繰り返すなどの症状があります。

トゥレット症は1000人のうち3~8人にみられ、多彩な運動チックと1つ以上の音声チックを認め、1年以上持続する場合を言います。典型例はまばたきなどの単純運動チックが4~6歳で、1~2年後に音声チックが発症し、年齢が上がるにつれて複雑なチックが増えていきます。10~12歳に症状のピークがあり、その後減弱していきます。但し、個人差が大きいこともわかっています。

 

対応法について

 症状がみられた場合は、自己判断せず、医療機関に相談をお勧めします。咳の症状の場合、風邪などと鑑別しづらい場合もあります。事前に動画を撮ってみせていただけると診断しやすいです。

症状は不安や緊張が強くなる・強い緊張が解けた・楽しくて興奮した時に増加しやすく、一定の緊張度で安定している・集中して作業している時に減少する傾向があります。

症状が本人の意思とは関係なく出てしまうので「その癖をやめなさい」・「短時間で止められるのだから我慢できるでしょ」などと本人に言うと、かえって症状を悪化させる可能性があります。また、ストレスや不安などがあると悪化することがあるため、ご家族や園・学校の関係者は本人が過ごしやすい環境にあるのか、学習面や友人関係で悩んでいないかについて把握して、本人が安心できるように配慮してもらえるとありがたいです。また、10歳頃に症状が強くなりますが、年齢が上がるにつれて治まっていくことも知っていただくと安心できます。私の経験では、親が子どもに対する接し方を優しく気にする・本人が好きではない習い事を休む・担任の先生に伝え、係などを減らすなどの対応で改善した例があります。但し、症状が激しく、体の痛みや疲労、食事や勉強などの日常生活に支障をきたす場合や、友達から注目されたり、からかわれたり、気にして外に出られないなど精神面での悪影響が考えられる場合は薬物療法を検討してもいいかもしれません。症状は千差万別です。お子さんの気持ちに寄り添って対応してもらえるとありがたいです。

 

参考文献

日本小児神経学会編:小児チック症診療ガイドライン. 診断と治療社.

 先月まで暖かい日が続いたことも影響し、あっという間に冬に移行したため月日の経つのが早く感じられます。今月はクリスマス・仕事納めと慌ただしい月になりますね。お子さんはサンタさんからのプレゼントを楽しみにしているでしょうね。当日開けた時の喜びは親子とも一生忘れられない思い出となります。

先月初め、家族で長崎へ旅行に行ってきました。夜、ロープウェイに乗って世界新三大夜景を見てきましたが、山梨県人だからなのか甲府盆地の夜景の方がずっときれいに感じました。もう一つ、訪れたのが「長崎原爆資料館」です。

被爆の惨状などを平和案内人の方から説明していただきました。説明の後、なぜ平和案内人をしているのかと聞いたところ、「1人でも多くの方に、原爆の惨状を知ってもらい、世界が平和になることを願って、ボランティア活動をしています。」と教えてもらいました。改めて平和について考える機会を得ました。

 先月は抗生剤の適正使用について話をさせていただきました。思っていた以上の反響があり、好意的な反応がみられました。風邪(感冒)の原因の多くはウイルスで、抗生剤が効かないことを理解していただけたと思います。

今月は子どもたちを中心に流行している「マイコプラズマ感染症」についてお伝えします。ちなみに、マイコプラズマはウイルスでなく細菌であるため、抗生剤が効きますので、マイコプラズマのことを知って上手に対処できることを期待します。

 

マイコプラズマ感染症って?

 マイコプラズマ感染症はマイコプラズマという細菌による感染症で、様々な症状を起こします。マイコプラズマにかかると、肺炎になりやすく、発熱・倦怠感・頭痛・咽頭痛などの症状が出始めて数日後に咳がでてきます。咳は痰を伴うことが少ない乾いた咳が特徴で、解熱後も長く持続する「長引く頑固な咳」です。

 今年5月からマイコプラズマにかかる患者数が増加、2016年以来8年ぶりの流行となって、現在も流行しています。新型コロナウイルス感染症の流行で、多くの感染症にかからなくなり、マイコプラズマも同様に、免疫を持たない成人や小児が多くなっていたのが今回のマイコプラズマの流行につながっています。

 

診断方法は?

 診断はコロナとインフルエンザのような迅速検査がありますが、感度が低いため、積極的に検査するのはお勧めしません。つまり、検査して陰性でもマイコプラズマにかかっていないと否定できないのです。他の検査方法として、血液検査で抗体価をチェックする方法がありますが、採血をすることと結果に時間がかかることで普及していません。実際の診療では流行状況と症状から総合的に判断していくことが多いと思います。

 

治療法は?

 マイコプラズマは細菌であるため、抗生剤が効きます。抗生剤の第一選択薬はマクロライド系の抗生剤が推奨されます。マクロライド系の抗生剤が無効な場合、ニューキノロン系(小児はトスフロキサシンのみ)もしくはテトラサイクリン系(8歳未満は医師が必要と判断した場合のみ可)の抗生剤に変更します。  今ある抗生剤を上手に使用することで耐性菌の出現が減らすことができ、どちら抗生剤も効かない耐性菌が現れないようにするべきです。大事なお子さんにどんな抗生剤が処方されているかを確認することも大切です。

 

予防法は?

感染予防は新型コロナウイルス感染症やインフルエンザと同様に、せきやくしゃみの飛散から感染が広がる『飛沫感染』のため、手洗い・うがいなど今まで通りの感染対策をしてください。せきがでている場合はマスク着用を心がけてください。潜伏期間が2~3週間と長く、家族間では忘れたころに症状がでてくることが多いです。今現在、マイコプラズマの流行期であることを知って、園や学校の先生方は、咳嗽が続いている場合は保護者に医療機関受診を積極的に勧めてください。

 今冬はマイコプラズマ・インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の3つが流行するのではないかと危惧されています。各々の病気を知ることで、上手に医療機関受診し、お子さんの体を守っていただけるとありがたいです。

2025年もこのコラムを通じて、少しでも皆さんの健康に役立ててもらえたらと願っています。どうぞよろしくお願い致します。

 

参考文献

マイコプラズマ肺炎流行に対する日本小児科学会からの注意喚起

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20241028_maiko.pdf

マイコプラズマ肺炎増加に関する学会からの提言について(周知)

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001320926.pdf

秋本番となりました。

2024年のノーベル平和賞は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞しました。日本被団協は被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきました。核兵器のない世界を実現するための努力と核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきたことが授賞理由となっています。1945年8月以降、核兵器が戦争で使われていませんが、現在、ウクライナへの軍事侵攻に踏み切ったロシアが核兵器使用をちらつかせています。私たちがこの現実を受け止め、核廃絶への道を考える必要があります。

 10月から県内の病児保育利用料について、県と市町村より1人1日千円の助成が始まりました。山梨県は病児保育広域化利用と利用料公費助成がなされており、全国でも先進的な取り組みと評価されています。県と市町村の取組に対して感謝申し上げます。

 ところで、皆さんは熱などの症状があり、医療機関から抗生剤(抗生物質、抗菌薬)を処方されたことがあると思います。抗生剤は現代の医療において重要な役割を果たしてきました。その一方で抗生剤の副作用、耐性菌とそれに伴う感染症の増加が国際社会で大きな課題の一つに挙げられています。

今月は抗生剤について皆さんにお伝えします。

 

抗生剤の適正使用が大切!

抗生剤は細菌に効くお薬で、ウイルスやカビなどには効きません。つまり、ウイルスが原因である風邪には抗生剤は効かないのです。細菌に抗生剤を使用すると、細菌は生き残るために抵抗性を身につけて耐性菌が出現します。

ペニシリン(抗生剤)は1928年に発見されました。肺炎や敗血症などの感染症を治すことができ、多くの人の命が救われ、第2次世界大戦ではペニシリンのお陰で多くの戦傷兵が助かりました。その後、耐性菌が出現し、新規抗生剤を開発することを繰り返し現在に至っています。1980年代以降、新たな抗生剤の開発が減少しており、現在のように抗生剤の使用を続けていると、2050年には全世界で年間1,000万人が薬剤耐性菌により死亡することが推定されています。抗生剤を適正に使用しなければ、将来的に感染症を治療する際に有効な抗菌薬が存在しなくなることが懸念されています。

 

抗生剤を知ろう!

諸外国と比較すると日本では抗菌薬の使用量が多いことが指摘されています。米国では処方された抗生剤の少なくとも30%程度は不適正使用であることが示されています。日本においても、65歳以下の患者の下痢症で過剰に抗菌薬が処方され、小児の肺炎でガイドラインを遵守して抗菌薬を処方している施設が4 分の1しかないという現状があります。

 抗微生物薬適正使用の手引き(第三版)では、小児の感冒・急性鼻副鼻腔炎・急性気管支炎・急性下痢症(胃腸炎)に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨しています。但し、症状が悪化し診断を再検討することもありますので治るまで経過をみておく必要はあります。

抗生剤が必要となるのは、溶連菌感染症・マイコプラズマ感染症・百日咳・クラミジア・ニューモニエなどです。第一選択薬として、溶連菌感染症はアモキシシリン(ペニシリン系の抗生剤)、マイコプラズマ感染症、百日咳、クラミジア・ニューモニエはマクロライド系抗生物質を推奨しています。

急性中耳炎は、抗菌薬処方がなくても、4分の3以上が1週間で自然治癒し、2 歳以上は3日で70%改善し、2歳未満の場合は10日で約半数が治癒することも知られ、全例に抗菌薬が必要ではないと言われています。米国小児科学会ガイドラインでは抗菌薬投与を①耳漏がある場合 ②重症(48時間以上持続する耳痛,39℃以上の発熱)の場合 ③6か月~2歳で両側の場合に抗菌薬投与を行う と推奨し、急性中耳炎の第一選択薬はアモキシシリンです。

 

ウイルス感染症に抗生剤を使用すると

抗菌薬が効かないのにウイルス感染で抗菌薬を飲むと、抗生剤は異物のためアレルギー反応を起したり、肝臓や腎臓を傷めたりすることがあります。口から腸の中や皮膚には無害な細菌や有益な細菌(いわゆる善玉菌)が数多く住み着いています(常在菌)。抗生剤は常在菌を殺してしまい、下痢や腹痛を起こすことがあり、耐性菌が多く住み着きます。このような状態で、細菌感染症にかかった場合、本来効くはずの抗生剤が効かない状況に陥りやすくなります。

 

私たちができること

 痰の色だけで細菌性であるかの判断はできないとも指摘されています。

私自身も抗生剤の適正使用を心がけ、保護者にご説明しながら診療をしています。抗生剤のことを知って、上手に使用することをお勧めします。

 

参考文献

抗微生物薬適正使用の手引き第三版 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001169116.pdf

 今月は梅雨が明けると夏本番です。熱中症に気をつけながら、夏を楽しみましょう。先月、恥ずかしながら夫婦げんかがありました。いつもなら互いに不機嫌になり、時間が解決してくれていたのですが、初めて、その解決に成人した子どもたちが関わってくれました。子どもが両者の言い分を聞き、仲立ちをしてくれました。子どもが成人になるとそれで終わりではなく、親を助けて(諭して)くれることがあるのだと子どもの存在の有難みに感謝しました。読者の多くの方は小さな子どもたちの子育てをして毎日疲れ切っていることでしょう。しかし、子どもが成人になったときに、思わぬところでご褒美をもらうことができます。

皆さんもこれからきっと経験できると思います。

 先月、国民生活センターから「アームリング付き浮き具」を着けて子どもが溺水した事故があったことが報告されました。2023年8月、3歳男子が「アームリング付き浮き具」を着けて、屋外のレジャープールで遊んでいて、保護者がわずかに目を離した間に溺れ、浮いているところを発見されたそうです。一時は心停止と診断され、5日間入院しました。着用方法が逆になっていると溺水しやすいことを注意喚起しています。また、アームリング付き浮き具はライフジャケットとは異なり、命を守るためのものではないことを理解すること、さらに水遊びの際は必ず保護者も子どもと一緒に水に入り、万が一の場合に備え、すぐに手を差し伸べられるように寄り添うことも大事です。毎年海・川などでの溺水事故が多く発生しています。大人も子どもも水辺での遊びではライフジャケットを着用してください。

 昨年5月から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類になり、マスク着用は個人の判断が基本となりました。5類施行後、1年が経ちましたが、世間ではコロナ禍前よりもマスクを着けている方が多い印象です。大人はご自身の判断でよいと思いますが、子どもたちだけで判断させることは到底できません。今月は子どものマスク着用について考えてみたいと思います。

 

子どもたちの声を聞こう!

 国立成育医療研究センターが2023年ゴールデンウイーク中、小6から高2までの学生749名からマスクの着用について質問をしました。その結果、「室内の近い距離で人と接する可能性があるとき」は約9割の子どもが「マスクをつけている」と回答、「マスクをつけたい」と思った理由は「病気の感染対策」「安心するから」「みんながマスクをしているから」などでした。マスクを外したい理由は「不快」「会話しにくい」「集中できない」などでした。

コロナ過ではマスクをつけなさいと子どもたちに強いてきました。2023年5月から個人の判断ということになりましたが、急に子どもたちに判断をさせるのはなかなか難しく、戸惑っている子どもも多いのではないでしょうか。大人だって同じだと思います。調査結果の「みんながマスクをしているから」という思いは、本当ははずしたいという気持ちが入っていることを大人は知っておく必要があります。

 

素顔ジャパンプロジェクトについて

 私が会員でもある「ファザーリング・ジャパン」(父親の子育て支援などに取り組むNPO法人)の会員間によるメーリングリストで木舟周作さんという会員からのメールに目が留まりました。ある中学校で半数以上が炎天下でマスクをしながら徒競走などをしている現状を目の当りにし、体育や運動会でマスク着用をしないように、みんなの笑顔が見える社会・素顔の日本を取り戻すために2024年4月に「素顔ジャパンプロジェクト」を立ち上げました。

 このプロジェクトでは、『小学高学年から中高高校生の多くがマスクをはずせずにいる』『特に夏の炎天下、マスク着用で運動をさせることは虐待であると言っても過言ではない』『顔を見せるのが恥ずかしくマスクが手放せなくなってしまっているお子さんへ寄り添った対応をしてほしい』『不登校や自殺が増えているが、マスクの影響があるのではないかという懸念』などを訴えています。

最後に、5類以降、私はみんなにマスクを外してもらいため、診察以外は率先して外して来ました。2023年5月頃はマスクをつけないでいる方が少数のため、何か言われたらどうしょうとドキドキしていましたが、今は外している人が半数以上になってきているので安心しています。うちの娘(小6)のクラスは女子がほとんどマスクを着用しているようです。女子は様々な理由で外せないようです。お子さん自身が感染に心配して着用する場合は無理に外すように強いる必要はありませんが、大人はマスクを外したいと思っている子どもたちが外せるように考えてもらいたいです。成長期である子どもたちは、顔の表情を読んで学んでいることを忘れないでください。

 

参考文献

国民生活センター アームリング付き浮き具による子どもの溺水が発生!

https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240522_1.html

東京くらしWEB 子供の水辺の遊びではライフジャケットを着用させましょう https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/lifejacket.html

素顔ジャパンプロジェクト https://sugao-japan.com/


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