令和8年7月号(Vol.254)発達が気になるお子さんへの対応方法(前半)
いよいよ夏、到来!水分補給を気にしながら夏を楽しみましょう。最近、成人した子どもたちの影響で、ChatGPTの使い方を教わり、AIデビューしました。ChatGPTは、優しいコメントや提案をしてくれることを知りました。とは言え、この原稿は毎月頭を悩ませながら取り組んでいます。AIを活用しながらも、AIが書けない自分の体験を盛り込みながら、これからも取り組んでいきたいです。
前回、HPVワクチンについてお勧めしました。初回接種が15歳未満だと2回、15歳以上だと3回接種します。対象時期は小6からでき、中学生になると部活に勉強に忙しくなるので、夏休みを利用して接種をお勧めします。2回目は1回目接種から6か月あけてください。
先月初旬、山梨県障害児(者)地域療育等支援事業で「発達や行動が気になる子の理解を学ぶ」について100名を超える県内の保育士・保健師・教師を対象に講演会をさせていただきました。質疑応答では保育園・学童・児童発達支援センター・学校などの現場で様々な困り感があることを知りました。今月はこの講演会でお話したことを基に「発達が気になるお子さんの対応法」についてお伝えします。
発達障害とは
発達障害は脳機能の発達に関係する障害です。臨機応変な対人関係が苦手、こだわりが強いといった自閉スペクトラム症(ASD)、不注意・多動性・衝動性のある注意欠如・多動症(ADHD)、読み・書き・計算が苦手な学習障害(LD)などに分けられます。これらの発達の特性が重複したり、強弱がみられたりします。その行動や態度は「自分勝手」とか「変わった人」「困った人」と誤解され、敬遠されることも少なくありません。原因は親のしつけや教育の問題ではありません。
発達の特性は残り続ける
周りから見てアンバランスな様子が理解されず、定型発達の(年齢に応じた身体的・知的・社会的・情緒的な発達が順調に進んでいる状態)お子さんと対応を同じ、もしくは近づくように対応していくことは発達障害の子どもたちに負担感を強いることにつながります。
大前提として理解すべきことは「発達の特性は残り続ける」ということです。「特性がなくなる」ように親も含めた大人が目標設定することはその子どもたちに負担感がかかります。苦手な領域の訓練に比重をかけすぎないでほしいです。
こだわりが強い子どもの場合、食事へのこだわりから白いご飯しか食べないことがあります。対応としては、白いご飯を中心に食べてもらい、本人の様子をみながら、他の食物を探すのもいいかもしれません。栄養のことを気にしすぎて泣きながら食べさせるような対応をすることは避けましょう。皆で合唱をするときに、耳を塞いでしまう大きな音に敏感な子どもがいた場合は、「合唱が嫌い・怠けている」という考えではなく、特性の程度に応じて、見学・イヤーマフの使用・歌う場所を集団の後ろ側にするなどの工夫で対応することも大切です。
ADHDは幼少期の多動性・衝動性が大人になり減るも、不注意が残ると言われています。不注意の症状は忘れ物や紛失が多い・約束を忘れてしまうなどです。大人になりやっとADHDと診断される場合もあります。学生時代は決められた時間割、親や先生のサポートのおかげで、多少のつまずきがあっても過ごすことができる場合もありますが、働き始めると、責任が増え、同時に複数のことを処理する場面も増え、元来の特性と職場環境のミスマッチが生じ、困りごとが目立つようになります。このような場合は、職場環境を変えたり、メモや予定表、リマインダー・タイマー・アラームなどのツールを活用し、周囲の協力も得ながらこなしていくことも大切です。
園や学校などで気になると言われたら?
幼少期に園や健診の場面で、「お子さんの発達が気になる」と言われたときは、多くの親はショックを受けます。園の保育士・健診の保健師は親にこのことを伝えるときは、お子さんために、大変気を遣いながら、勇気を出して伝えています。親はすぐに受け入れることはできないかもしれませんが、両親でしっかりと将来ある子どものことを受け止めて、関係者と一緒にお子さんの育ちに関わっていくことが大切です。親の受け止めがしっかりとしていると、お子さんに不必要な注意・非難・叱責が減り、自信をなくしたり、孤立を防ぐことができます。親の受け止め次第で、お子さんの環境は大きく変化します。
当クリニックでも発達障害の子どもを診療していますが、親の受容がしっかりし、かつ早めに環境を整えていただくと、子どもが生活しやすくなっていくのを実感しています。
参考文献
発達障害情報・支援センター
発達障害って、なんだろう?政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/article/201104/entry-10347.html
自閉症スペクトラム SB新書 本田秀夫著













