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院長コラム

平成24年2月号(Vol.82)
乾燥対策と被災地訪問

2012/02/01(更新日)

本格的な寒さがやってきました。今シーズンのインフルエンザは近年になくゆっくりと到来し、年明けから流行が始まってきました。学級閉鎖のニュースも入ってきています。また小さなお子さんがかかると重症化しやすいロタウイルスによる胃腸炎も流行してきます。お子さんの体調管理にご注意ください。

新年2日、自分の子どもの応援で甲府市里垣地区新春マラソン大会に行ってきました。当日参加ができたため、40歳代男子の部(4km)で走りました。結果は23分27秒。少し無理しながらも走りきり、ケガすることなく無事完走できました。学生以来のマラソン大会参加はとても楽しかったです。応援以上に参加する醍醐味を味わいました。

また、8日にはコラニー文化ホールで開催された小出裕章さんの講演会「子どもの未来のために知ってもらいたいこと」を聞きに行って来ました。小出さんは原子力の専門家であり、福島第一原子力発電所の事故や放射能に関しての話でした。今後、私たちが生活していくうえで知っておくべき大事な事を教えていただけました。今回の原発事故での放射能の広がりを考えると、山梨の近くには、新潟県や静岡県に原子力発電所があり、他人事ではないことを思い知らされました。

 

乾燥注意報での対応法

 今シーズンは雨が少なく、例年以上に乾燥が続いているそうです。子どもの肌は大人と比べ乾燥に弱く、カサカサな肌になりやすいです。ひどくなると赤く盛り上がってきて湿疹になり、かゆみを伴い、さらにひどくなると掻いて血が出ます。対策としては、保湿剤の使用が一番大切です。保湿剤はお風呂上がりに肌が潤いのあるうちに塗って下さい。よく皮膚を掻いてしまうお子さんの場合は爪を切っておき、睡眠時は手袋を使用し爪で掻かせない工夫も一法です。湿疹になると、保湿剤だけで治らず、ステロイド軟膏を使用すると1~2日で治ってきます。ステロイド軟膏を短期間使用することでは副作用を気にする必要はありません。かゆみがひどい場合は抗ヒスタミン剤を飲むこともお勧めです。

 もう一つ、インフルエンザウイルスは寒くて乾燥している環境を好みます。加湿器を利用し部屋の湿度(50~60%)を上げると、インフルエンザウイルスに罹患しづらくなります。

 

被災地へ

昨年4月、医療ボランティアに参加して以来の被災地訪問でした。年末年始を利用して2か所に訪れました。1か所目は岩手県山田町。私の妻が昨年5月に保育士と一緒に、避難所の子どもたちに保育ボランティアをさせていただいたときに、たいへんお世話になった山田町の保育園園長と再会をしました。その園長は保育園が高台にあったため園舎は被災せず、そのため地域の避難所になり、責任者としてたいへんなご苦労をされました。3・11直後はトイレがなく、裏庭に穴を掘って便所代わりにしたこと、電気がなくロウソクで生活をしていたこと、全国から自衛隊・警察・ボランティアの多くの助けや支援物資のおかげでたいへん勇気づけられ、感謝していることを聞いてきました。避難所生活が一緒だった男性も再会に駆けつけていただきました。この方は家も流され、お兄さんも津波で流された境遇でありながらも、前向きに生きている姿を私たちに見せてくれました。

2か所目は宮城県気仙沼市。病院へ医療物資を届けに行きました。この病院は津波が押し寄せ、1階部分が壊滅的な状態になりましたが、現在は補強工事を終え病院診療を続けていました。

 また、山田町から気仙沼市に行く途中、多くの犠牲者がでた南三陸町の防災対策庁舎を訪れました。この庁舎では津波が来ることと高台に避難することを放送し続けていた役場の多くの方が津波に流された所でした。現在は庁舎の鉄筋部分だけが残っていて、たくさんの献花や折鶴があり当日も多くの方が焼香に訪れていました。

今回、何人かの被災者と話を聞く貴重な経験をさせていただきました。皆さんが前向きに生きていること、全国からの支援に感謝をしていることを肌で感じてきました。復興は少しずつ進んでいるようですが、まだまだがれきの山がたくさんあり、壊れた建物がまだ撤去されていない所も多々ありました。多くの仮設住宅もあって、以前の暮らしに戻る日はまだまだ先のように思えました。今後も自分のできる範囲での関わりを持っていくつもりです。

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