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院長コラム

令和5年3月号(Vol.214)
マスク着用について~子どもたちに寄り添いながら~

2023/03/01(更新日)

 2月10日の大雪は大変でしたね。当日朝はまだ雪も降っていなかったものの、雪の予報ということもあり、念のため長靴を履いて出勤しました。その後からは雪が降りやまず、患者さんの受診も少ないため、スタッフには早めに帰ってもらいながら私もいつもより早めに帰宅しました。子どもは雪に大喜びでしたが、私としては春が待ち遠しい今日この頃です。

3月はスギ花粉が猛威を払う時期です。昨年よりもスギ花粉の量が多い予想が発表されており、症状がひどくなると思われます。対策としては薬だけではなく、洗濯物を室内干しにする・外出時のマスクや眼鏡、帽子の着用など花粉との接触を少なくする工夫も大切です。最近は根本治療とも言われる舌下免疫療法が登場し5歳以降が適応で症状に悩むお子さんにもお勧めです。

先月18日、私たち夫婦に子どもたちからのサプライズがありました。うちの息子宛の届け物があったため、何だろうなあと思っていたところ、娘がその届け物を私たちに隠れて、うれしそうに取り出しました。そして、私たちに「兄弟みんなでお金を出し合って買った結婚記念日のプレゼントです。どうぞ」と言いランニング用の帽子を頂きました。親を慕ってくれる子どもたちに感謝です。子育てのご褒美はこんな風に届くのだなぁと思いました。

皆さんもご存じの通り、3月13日からマスクの着用についての方針が大きく変わります。3年以上マスクを着け続けた子どもたちへの関わりについてお話をします。

 

3月13日以降のマスク着用について

 厚生労働省からの発表により「マスク着用については、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断にゆだねる」となるようです。すでに3年以上、マスクをし続けたので、3月13日から個人の判断となっても、同調圧力(周りの視線)の点からも急にマスクなしの生活には移行しにくいと思います。医療機関・高齢者施設に行くときはマスク着用が望ましいとも言われており、3年続けた習慣を急になくすのは難しいため、ゆっくり移行する方向で良いのではないかと思っています。

 

園・学校での対応

 子どもは生活の場が園・学校のため、園・学校での対応が気になります。園・学校の節目は3月末になるので、13日からマスク着用を変えるのは現場で動揺があるのではないかと思います。マスクに慣れているお子さんにとってはマスクをはずすことで、隠れていた顔の部分を見られることへの羞恥心があったり、マスクをつけることでの息苦しさ・かぶれなど一長一短があると思います。卒業式でマスクをどうするかと議論になっていますが、主人公である子どもたちの声に丁寧に耳を傾け、対応法を決めていただけたら幸いです。子どもたちになるべく理解できるような説明をしていただけたらありがたく思います。

 

コロナ禍での子どもたち

 出生数の低下が止まらず、2021年が81万人、2022年は80万人を割り込むような状況で、少子化が止まりません。そして、3年にわたるコロナ禍で子どもの自殺・不登校・いじめ・肥満の増加や体力低下がみられています。また、国立成育医療研究センターのグループで子どもを対象として調査したアンケートから、集中できない・すぐにイライラしてしまう・寝つけない・ひとりぼっちだと感じる・自分や家族を傷つけてしまうなどの7割超が何らかのストレス症状をかかえていることがわかり、こころの問題も見逃すことができません。子どもたちにとっても生きづらい状況があります。

 5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行します。コロナの死亡率も季節性インフルエンザと同じぐらいまでに下がってきました。今までと同じようにコロナ感染を気にしすぎると、子どもたちの体と心に影響が出ます。両者のバランスを考えて、私たち大人たちは子どもたちがコロナ前の生活に戻れるように考えるべきです。園・学校さらにご家庭でお子さんたちの声に耳を傾けてほしいと願っています。

 

参考文献

コロナ禍における子どもたちの心とからだ 国立成育医療研究センター

令和5年3月13日以降のマスク着用の考え方について 厚労省

卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考え方について(通知)文科省

 

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