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院長コラム

令和3年7月号(vol.194)
祝!医療的ケア児支援法が誕生!

2021/07/01(更新日)

 まもなく、梅雨が明け、真夏に突入です。しかし、未だコロナ過のため自粛しながら生活しなければならず、気持ちがすっきりしませんね。

うちの娘(小3)は学年が上がってすぐ運動会の練習が始まり、本番の日に雨が降らないようにてるてる坊主を作ったり、自宅で踊りの練習をしたりと運動会が終わる5月末まで運動会モードでした。当日は半日だけの開催でしたが天候にも恵まれて、無事終了しました。一方結果は、娘の赤組は負けで、3年連続負けているとがっくりしていましたが、親子共とても楽しむことができました。コロナ過とは言え、今後も子どもの行事は感染対策をしながら実施していただくことを望みたいです。

 コロナ終息へ向けて新型コロナワクチン接種が医療従事者や高齢者だけではなく、広がり始めています。私は5月中旬に新型コロナワクチンの2回目を接種しました。1回目より2回目に副反応が出やすいという話を聞いていました。実際は1回目より多少、接種部位の腫れや違和感、重たい感じがありましたが熱は出ませんでした。うちのクリニック勤務の20代ナースは接種翌日39度台の熱が出ました。国内の医療関係者約2万人の調査から、接種部位の痛みなどの頻度は高く、若年者の方が高齢者より接種後に発熱・全身倦怠感・頭痛などの全身反応を認める割合が高いことが明らかになっています。これから接種の予定にある方は、接種翌日の生活負担を軽減させながら進めていただければと思います。

 先月、全国医療的ケア児者支援協議会が6年間訴え続けてきた「医療的ケア児及びその家族に関する支援に関する法律」(以下、医療的ケア児支援法)が可決されました。今回はこの法律が成立した経過や現状について、皆さんに知っていただきたいのでお伝えします。

 

医療的ケア児支援法とは

 人工呼吸器や胃ろう等を使用し、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な子どもたちのことを「医療的ケア児」と言います。この医療的ケア児は全国で約2万人(厚生労働省報告)、医療技術の進歩で10年前の2倍に増加しています。その家族は日々のケアで疲弊しており、その上医療的ケアがあるため保育所で受け入れてもらず、学校へは親の付き添いが求められています。結果として保護者の離職につながり、家族にとって経済的にも精神的にも大きな負担となっているのが現状です。

 この法案の目的は「医療的ケア児の健やかな成長とともに、その家族の離職を防止し、安心して子どもを生み、育てることができる社会を実現すること」、さらに「医療的ケア児やその家族に対する支援は医療的ケア児の日常生活や社会生活を社会全体で支えること」と明記されました。具体的には、保育者や学校などに通う機会が平等に得られるように、保護者の付き添いなしで医療的ケアを行う看護師らの配置をすること、県に相談や情報提供を行う「医療的ケア児支援センター」の設置をすることを求めています。法律が施行されることにより、これまでは自治体の「努力義務」から「責務」に変わりました。この法律により、医療的ケア児とその家族が生活しやすくなることに繋がると考えられます。

 

安心して生み、育てられる社会に向けて小児訪問診療から見えること

 私は自分のクリニックに医療的ケア児を昼間預かる施設を併設し、かつその子たちの訪問診療に従事し、日々母親を中心とした家族の声を聞いています。主の介護者である母親の声からは、日々のケア・子どもの急変・通院やリハビリ・医療的ケア児の兄弟や夫婦関係などの対応で疲労が溜まっていることが感じられます。そのため母親は自分自身の身体や心の状況まで考えられない状態です。この法律をきっかけに県内にいる100名弱の医療的ケア児とその家族を社会全体で支えていくしくみを作ってもらえたらと願っています。この法律には「医療的ケア児やその家族の意思を最大限に尊重すること」が記されています。医療的ケア児やその家族の声を聞き、制度化されることを切望します。保育所や学校への看護師配置の具体策として、先進的な地域ではそのお子さんのケアに精通している訪問看護ステーションの看護師を学校に派遣している事例もあり、地域の実情にあった体制づくりが求められます。

 妊娠経過が問題なく、出産時のトラブルで医療的ケアが必要になるお子さんが生まれる場合も少なくなく、他人事ではありません。県内で生まれたどんなお子さんも安心して生活でき、親亡き子の生活まで社会全体で体制作りを考えていただきたいです。

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