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院長コラム

平成29年8月(Vol.147)
医療との上手なかかわりについて

2017/08/01

 例年のように猛暑が続く暑い夏、みなさんいかがお過ごしですか?水分補給をこまめに行い、クーラーを活用したり、シャワーを浴びたりしながら熱中症に気をつけてください。
先日、乳がんと闘っていた小林真央さんが亡くなりました。幼いお子さんを残してどんなに無念だったかと想像します。悲しく残念でたまりません。真央さんのブログから前向きに生きる姿が多くの方に伝わりました。また一日一日を大切し前向きに生きていくことを教えられました。ご冥福をお祈りします。
 今月は視点を広げて医療と上手に関わりながら子育てをしていくには・・という話をしたいと思います。昨今はブログなどを含めたネットが普及し、情報が氾濫しています。子育ての情報のみならず、医療情報も多く、どの情報を信じればよいか迷う時もあります。

 

喘息との関わり

 私が小児科医になったばかりの20年前は、喘息の治療薬があまりなかったため、夜発作を起こした子どもの受診が多く、救急外来は忙しい日々でした。現在は治療法が進歩し、抗ロイコトリエン薬や吸入ステロイドの誕生で発作を起こす子どもたちが明らかに減ってきています。喘息の治療をみても、昔より格段に進歩しています。薬を上手に使うことにより発作で苦しまずに済むお子さんが多くなってきています。喘息のお子さんは気道炎症が24時間起こっており、発作がなくても、抗炎症薬を使用し気道炎症を抑えることで発作を抑えることが大切です。上手に薬を使うと生活の質が高まります。

ステロイド軟膏を上手に使用する

 20数年前、ステロイド軟膏の副作用に関する誤ったテレビ報道をきっかけに使用を控える方が増加し、アトピー性皮膚炎の炎症が悪化し、真っ赤な顔になり受診する方が多く見られました。その後、その誤解を正すために多大な時間を要することになりました。その頃は私たち医師の話より、メディアや民間療法の影響が強く、ステロイド軟膏の使用に関して躊躇している方が多い印象をうけました。
2000年に日本皮膚科学会からアトピー性皮膚炎ガイドラインが誕生し、普及が進むことで、医師・患者の両者の共通理解が深まりました。そのおかげでステロイド軟膏を使用しない方は現在、ほとんどみられなくなっています。ステロイド軟膏の副作用が出にくい免疫抑制剤の軟膏も登場し、以前よりアトピー性皮膚炎の治療も進歩しています。

予防接種を上手に利用する

 最近いくつもの予防接種が登場し、多くの恩恵が得られています。特にヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンが始まり、髄膜炎にかかるお子さんが激減しています。うちのクリニックでもヒブワクチンが始まる前は髄膜炎にかかるお子さんが年に数人はいましたが、現在はほとんどいません。またロタウイルスワクチンがない頃は、多くのお子さんが点滴や入院をしていたのですが、開始されてからは点滴治療も入院も激減しています。予防接種は発熱や接種部位が腫れることはありますが、重い副反応はまれとなっています。現在使われているワクチンは長い歴史があり、世界中のお子さんに使用されてきて安全性が確認されています。
予防接種をした後に高熱を出したり、脳炎を起こし報道される場合があります。接種後に起こすと直接的な原因と思われがちですが、その因果関係を調べることは簡単にいかないことも多いのが現状です。私が予防接種を勧めるときには予防接種のメリットとデメリットのバランスを考えて、メリットがデメリットを上回るようなら接種した方がよいと話をしています。予防接種の必要性についてはネット情報だけではなかなか理解できません。大切な自分の子どものワクチンの必要性について親としていろいろと心配するのは当然のことです。必要性があるかはかかりつけ医に相談をして、納得のいく説明を聞き、子どものために決定することが必要です。私たち小児科医は科学的なデーターを収集し、国の方針や日本小児科学会の提言を考慮し判断しています。

 最後に喘息やアトピー性皮膚炎で上手に薬を使用することで、症状が軽くなっていること、予防接種をした恩恵でいろんな病気にかからないで済む時代になっていることを痛感します。私が医師になったばかりの頃と比較すると小児医療の進歩は早く、今の子どもたちは本当に幸せだと感じます。皆さんもご存知の通り、子育ては一人ではできません。医療との付き合い方も同様で、かかりつけ医に相談しながら、現在の最新の医療を上手に取り入れていただきたいです。そして、その情報を家族で共有しながら子どものために良い選択をしていってほしいと願っています。

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