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院長コラム

平成29年6月号(Vol.145)
PFAPA症候群(自己炎症性疾患)について

2017/06/01

 新年度が始まり、G・Wも終わり新しい生活リズムや人間関係には慣れたころでしょうか?先月、アメリカが北朝鮮に武力行使を検討、ミサイルが日本にもやってくるなどの報道がなされ、不穏な状況になっています。他人事ではなく隣国との関わりについてより一層の関心を持たねばなりません。最近、うちの4歳の娘にたかいたかいを何度もしていたところ、右肩を痛めてしまいました。50歳に近づいている私の右肩には大きな負担でした。体を労わりながら子育てをしていきたいと思います。
 今月は「PFAPA症候群」というあまり聞いたことがない病気についてお話します。ここ数年前、うちのクリニックでこの病気にかかっている2名のお子さんに出会いました。毎月のように高熱が4~5日続き、学校や園を休まねばならず、本人も家族もこの病気に悩まされています。

PFAPA症候群とは?

 PFAPAはPeriodic fever(周期性発熱)・aphthous stomatitis(アフタ性口内炎)・pharyngitis(咽頭炎)・cervical adenitis(頸部リンパ節炎)の略で、PFAPA症候群という病気は、周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・頚部リンパ節炎の4つの主症状があり、乳幼児期に発症する「自己炎症性疾患」です。関節リウマチなどの膠原病などの「自己免疫疾患」と違って、自己炎症性疾患は1999年に提唱されたばかりのまだ新しい概念で「自分で勝手に炎症のスイッチが入ってしまう」病気で原因や治療もまだ確立はされていない分野です。これから研究が進むことで病態解明されることが期待されています。
 PFAPA症候群は、5歳以下で発症することが多く、約1か月に1回の頻度で反復する発熱を認め、発熱期間は約5日程度、40度近い熱が出ます。発熱時はぐったりすることもあります。咽頭炎・口内炎・頸部リンパ節炎などの症状があり、感冒と診断されてしまう場合があります。正常な発育・発達で、発熱していない時はまったく普通の生活ができています。重い合併症は少なく、小児期に自然寛解することが多く、家族の半数で反復する発熱・扁桃摘出術をした人がいます。約1か月に1度、周期的に熱がある場合はPFAPA症候群を疑う必要があります。
 治療法は、大きく3つ挙げられます。一つ目は胃酸抑制薬(シメチジン内服)で約50%の有効性が認められます。二つ目はステロイド薬ですが、飲むと数時間で熱は下がりますが周期が短くなるデメリットがあります。三つ目は扁桃摘出術で100%近い効果がありますが、全身麻酔下で手術になります。そのため子どもの年齢や症状に応じた治療を考えていきます。この病気は医療者側にもまだ認知が低く、風邪と診断され、無効な抗生剤を投与することもあります。

当科でのケース

 この病気の2人は診断にたどり着くまでに家族がネットなどで情報収集しながら、いくつもの病院を受診して診断が診断がつきました。当クリニックで対応した小学校高学年のお子さんは、周期が約30日で熱が出ると5日間、39~40度の高熱が続き、口内炎を認めました。高学年にもなるとカゼをひくことも少なくなり、発熱すると大抵この病気の発症でした。その都度、病院受診し血液検査を受けていました。本人も病気のことがわかっていて繰り返される熱に落ち込んでいました。発熱時はつらいようで、学校を休み自宅で過ごします。勉強にも支障がでてきますし、中学校のことも考えるといつ頃病気が治るのか不安な日々だったそうです。現在はシメチジンを飲んでいますが、効果はあまりないようで、ステロイド薬は周期を短くするため積極的には内服していません。効果が期待できる扁桃摘出術は全身麻酔での手術に対して本人の不安があり、悩んでいます。そろそろこの病気が治るのではないかという期待と不安が入り混じっていました。子どもが成長するにつれて本人の意思も大切であるため、ご両親の悩みも大きいようでした。
 皆さんにこういった病気があって悩んでいる方がいるということを知っていただけたら幸いです。

参考文献

古本雅宏, 他:PFAPA症候群100例の臨床像. 日本小児科学会雑誌119:985-990, 2015

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