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院長コラム

令和8年1月号(Vol.248)県内の小児救急医療体制について(後半)

2026/01/01(更新日)

 新年、明けましておめでとうございます。昨年は夏の異常な暑さ・昨年の漢字が「熊」、住宅街に熊の出没・目撃情報の報道と例年と違った1年でした。今年はロシアによるウクライナへの侵攻など、国家間の争いが収まることを切に願っています。お互いのズレを武力ではなく、話し合いで解決していくことができないのかと考える日々です。少なくとも自分たちの国は同じ過ちをしないように尽力していくことは大切なことだと感じています。武力はお互いを幸せにしないことは皆が知っていることだと思います。

先月、富士山マラソン(フルマラソン)に出場してきました。ただ、秋から膝の痛みが続き、完治しないまま、走りましたが、20キロ付近で膝の痛みが強くリタイヤしました。もう若くない自分がいやになりますが、年には勝てませんね。来年に向けて、ゆっくり調整していきます。

 2024年度前期に放送されたNHKの連続テレビ小説「虎に翼」をNHKオンデマンドで、妻・娘と一緒に先月、観終わりました。主演は日本初の女性弁護士、後に裁判官となった三淵嘉子をモデルにしたオリジナルストーリー、女性の権利や法律の重要性をテーマにしていました。うちの娘に昔は今よりももっと男社会での女性に対して生きづらかったかを知ったのではないかと思います。今月は先月に続き、小児救急医療についてお話をします。

 

子どもたちがかかる病気の変遷

 小児救急医療体制が構築された20年前の救急の様子は、インフルエンザ・感冒・胃腸炎など感染症・喘息発作で苦しくなり受診するケースがメインでありました。

特にロタウイルスによる胃腸炎の場合、嘔吐・下痢の症状が強く、点滴することも多く、点滴して症状が改善せず入院することもしばしばありましたが、2011年からロタウイルスワクチンが誕生し、胃腸炎で点滴する機会がぐっと減り、入院も激減しました。2013年からヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンが始まり、髄膜炎が激減、2014年から水痘ワクチン定期接種化で水痘の激減など、数々のワクチンの誕生や定期接種化で、子どもたちが以前よりも病気にかからなくない時代が到来しています。来年4月から妊婦さんを対象にRSウイルスワクチンを定期接種化になり、新生児や乳児がRSウイルス感染症にかかりにくく、重症例も減ることが予想され、子どもたちが種々のワクチンによって多くの病気にかからなくなっています。

 最近、気になるのが子どもの心の問題で、頭痛・腹痛・胸痛などを訴え、救急受診することも少なくありません。心の問題は、すぐに解決できることが難しく、救急での受診だけでは不十分であります。心の問題の場合、かかりつけ医で相談をし、必要があれば専門機関へ受診がお勧めです。さらに子どもの虐待件数が増えていく昨今、背後に「虐待」が潜んでいなかも考慮をする必要があります。救急受診において、感染症などの病気だけでなく、心の問題に着目しながら対応する時代に入っています。

 

理想の小児救急体制構築へ

 小児初期救急医療センターの体制が20年間続けられたことは協力した小児科医・看護師・事務員らの努力の賜物です。一方で日本の人口が減少、少子化と縮小していく時代、小児救急医療体制も修正が必要になってきます。

現在、県内の小児救急体制において、1次救急(小児初期救急医療センター),2次救急(市中病院),3次救急(山梨大学附属病院)に別々の場所に分散されています。近未来は、1~3次救急を一か所(センター方式)に集約せざるを得ない時期が来ると思います。受診した患者側は1次から2次、2次から3次へ転送する時間のロスがなくなり、患者負担が軽減できること・転送がなくなることで救急車の要請が不要・小児科医らのスタッフの集約化・人件費・設備などの経費が軽減できることなどの効率化が挙げられます。このセンター方式は20年前、小児初期救急医療センター立ち上げるための検討委員会でも理想的であると答申されていました。

一番大切なことは「子どもたちによりよい医療を提供すること」、つまり医療の質を上げること、助けられる命を救うことです。子どもたちは声を上げられない立場にいます。子どもたちのために、よりよい救急体制を検討していただけると未来の子どもたちの財産になります。

 

 

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