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院長コラム

平成30年3月号(Vol.154)
入園前に予防接種をしよう!

2018/03/01(更新日)

 待ちに待った春到来。寒さに弱い私は本当にうれしいです。桜が咲く頃の花見が待ち遠しいです。うちの娘(5歳)は私がよく「真剣に」という言葉を使うのを聞いていたようで、私たちとトランプの神経衰弱をしたとき、娘が何枚も続けて取れたので「すごいね」とほめたら、娘は「だって真剣にやっているからね」と真剣に言っていました。私の口癖を真似したのだと夫婦で大笑いしました。娘は最初何で笑っているのかわからない様子でしたが、私たちの大笑いに続いて笑っていました。今月は入園前の準備の一つである予防接種についてお話したいと思います。

VPD、知ってますか?

 VPD(Vaccine Preventable Disease)とは「ワクチンで防げる病気」のことです。予防接種は現在、4種混合・BCG・麻疹風疹・ヒブ・肺炎球菌・水痘・B型肝炎・日本脳炎の8つが定期接種、ロタウイルス・おたふくかぜ・インフルエンザの3つが任意接種に分かれています。定期接種と任意接種どちらのワクチンも接種すれば、免疫が獲得され病気にかかりづらい体になります。ワクチンを接種して大切なお子さんを病気から守っていきましょう。
 任意接種のワクチンは希望がある場合のみと思われがちですが、そんなことはありません。任意接種のワクチンも含めてすべてのワクチンをお勧めします。ロタウイルスワクチンを接種することで乳幼児がかかると重くなる胃腸炎が軽くなります。私の経験上、ロタウイルスワクチンが導入され、胃腸炎にかかっても症状が軽い場合が多く、入院や外来で点滴をするケースが導入前より大幅に減っています。

受けるタイミングを逃してしまった場合

 いろいろな事情で接種ができていない場合、かかりつけ医や市町村の保健師さんに相談をしましょう。定期接種のワクチンは接種できる年齢が決まっています。該当年齢を超えてしまった場合は接種しないとあきらめないで下さい。自費になってしまいますが、かかりつけ医で接種することができます。定期接種の水痘ワクチンは2回接種を2歳までに行うようになっていますが、3歳過ぎても、自費なら接種はできますので接種をお勧めします。

母子手帳で確認しよう!

 今すぐにお子さんの母子手帳の中にある予防接種欄を開いて見てください。適切に予防接種ができていますか?今は多くのワクチンがあるので、不安な方はかかりつけ医や市町村の保健師に相談をしていただけると教えてくれます。
 予防接種のポイントは「生後2か月」になったらワクチンデビューすることです。特に百日咳は赤ちゃんがかかると重症化して死に至ることがあります。百日咳が含まれている4種混合ワクチンは生後3か月にすぐに接種してください。生後2か月から4週ごとに接種が続きますが、順調に進めば、生後6カ月過ぎると該当するワクチンがなくなります。そして1歳になると再び予防接種が始まります。入園すると病気をもらい予定していたワクチンが遅れてしまい、入院してさらに遅れる悪循環になってしまうお子さんもいます。
 来月小学生になる年長さんは、3月末が期限である「麻疹風疹混合ワクチン」を済ませましたか?まだ接種していない場合は3月31日までに接種をお願いします。また、B型肝炎ワクチンは生後11か月まで、水痘ワクチンは2歳代までなどと期限がワクチンによって異なっています。ぜひ一度ご確認ください。

副反応が心配ですか?

 昔、ワクチンの安定剤として使われていた「ゼラチン」でアレルギーを起こし、死亡者を出したこともありましたが、現在はゼラチンを使用していません。生ポリオワクチンはワクチン接種でポリオを発症する恐れがありましたが、2012年9月からワクチンによるポリオを発症する恐れのない不活化ワクチンに切り替わりました。
 熱や接種部位が腫れることは現在もありますが、大きな副反応とは言えず、熱は1日程度、腫れも数日で治まる程度のものです。副反応を恐れてしまい、ワクチンをしないと病気にかかる可能性があります。
 例えば、おたふくかぜワクチンをすると、数千人に1人(0.05%)、無菌性髄膜炎が起きます。しかし接種せずに自然にかかると100人に2人程度(2%)、無菌性髄膜炎が起きます。ワクチンを接種した方がはるかに少ないことが明らかになっています。さらに日本耳鼻咽喉科学会の全国調査ではおたふくかぜに自然にかかり、ここ2年間で336人が難聴にかかったということが判明しました。難聴にかかると現在では完治することができません。おたふくかぜワクチンもお勧めします。小児科医や耳鼻科医はすべての予防接種を定期接種化することを願ってやみません。

参考文献

「VPDを知って、子どもを守ろうの会」ホームページ http://www.know-vpd.jp

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