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院長コラム

平成22年12月号(Vol.68)
治療より予防!

2010/12/01(更新日)

師走となりました。小児科は12月が一番忙しく、例年年賀状が気になりながらも、気がつくと年末投函になっています。今年こそ早めに済ませたいと思っています。先日、聴覚障がいを持つ親御さん対象に子育て講演をする機会がありました。私の横に手話通訳者の方がついて説明をしてくれたため、いつもと違う雰囲気がありました。講演後、話をしていて、子どもの病気について電話で相談をすることができないという話を聞き、私の知らなかった子育て上の悩みを初めて知りました。

 今月は病気の予防が大切であることを改めて皆さんにお伝えしたいと思います。日頃、健康のありがたみに気がつかず、病気になり痛感させられることもあるのではないでしょうか。

 

予防のすすめ

病気の予防についての学問に「予防医学」という言葉があります。予防医学は病気を防ぐことだけでなく、病気になっても進行を抑えたり遅らせたり、再発を防ぐという考えが含まれています。健康診断や予防接種は予防医学の一つになっています。

生活習慣病という言葉をよく耳にしますよね。生活習慣病は長年の食生活・喫煙・運動不足等が深くかかわり、糖尿病・高コレステロール血症などの脂質異常、高血圧、高尿酸血症などの病気のことを言います。がん・脳血管疾患・心臓病の3大死因も生活習慣と関係が強いと言われています。対策としては、バランスのよい食事・禁煙・適度な運動が大切です。

 

予防が広がらないわけ

今の国の医療制度は病気になって治療をすることに対して保険が使用できます。予防接種や検診などの予防については保険が使えず、自費扱いになっています。ほとんどの先進国においては予防接種や健康診断が受けやすい環境が整っています。来年から国で子宮頸がん・ヒブ・肺炎球菌ワクチンの助成を行う話が検討されているようです。これからはもっと予防に予算をかけていただきたいと思います。

 

お父さん・お母さんは健康診断を受けていますか?

 私は毎年、健康診断を受けています。今年は体重が増えていると言われました。そのため、気にするようになり、自転車通勤と時間があればランニングをするように心がけています。お子さんのことも大事ですが、まずは自分の健康管理が第一です。さらに、こころの健康も大事です。こころが病んでもよくありません。子育てがつらいと感じているママは、旦那さん、祖父母、ファミリーサポートなどを利用して、ご自分のために息抜きする時間も作ってください。

 

予防のいろいろ

こどもの病気を予防することはどの親も考えることです。予防接種をきちんと受けることはまず大事なことです。定期接種とされるBCG・三種混合・ポリオ・麻疹風疹・日本脳炎・2種混合、さらに自費扱いになっている水痘・おたふく・ヒブ・肺炎球菌・子宮頸がんワクチンの接種もお勧めします。例えば、おたふくにかかることで、髄膜炎・難聴・睾丸炎などの合併症にかかることもまれではありません。ワクチンをしておけば先ほど述べた合併症にまで発展することはほとんどありません。

たばこは吸っている人のがん予防、循環器系や呼吸器系の病気などの多くの病気を予防できることがわかっていますし、家族やお子さんの喘息・中耳炎などを予防できます。

また、母乳育児をしていると、人工乳にはない免疫物質などが入っているため、お子さんが感染症にかかりにくく、ぜんそく・アトピー性皮膚炎・乳幼児突然死症候群の発病が減ることが明らかになっています。母親にとっては、子宮収縮が促されることにより貧血が予防され、乳がんなどの女性特有のがんの発症率が下がることがわかっています。さらに妊娠中に蓄えられた体脂肪が母乳に使われることで無理なく体重を減らすことができます。

こころの健康についても大切です。家庭が安定していると、子どものこころの安全基地になり、こころの健康を保つことができると考えます。体の病気の予防も大事ですが、こころの病気にならないことも同じくらいに大切です。

 

~インフルエンザのお知らせ2~

 県内でもインフルエンザの報告がみられています。今年10月以降、国内でA香港型(H3N2)の集団発生がみられており、新型(H1N1)だけでなくA香港型も合わせて流行するとも言われています。どの型であれ、高熱・咳・鼻水等が主な症状で、予防はまずワクチン接種、次に手洗い・うがいです。

最後に、来年もみなさんの体とこころが健康でありますように願っています。

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