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院長コラム

平成27年8月号(Vol.123)
ワクチンの効果は絶大!

2015/08/01(更新日)

5月には真夏のような日が続いたかと思うと、先月は長引く梅雨が続きました。連日の雨で洗濯物が乾かず、我が家も初めてコインランドリーにある乾燥機のお世話になりました。梅雨の季節にフワフワの洗濯物を手にして本当にありがたいと思いました。ようやく夏本番、熱中症に気をつけながら夏を乗り切りましょう。

先月、岩手県の中学2年生がいじめを苦にして自殺したとみられる問題に日本中が大きな悲しみに包まれました。学校関係者の対応については今後より詳細な経過が明らかにされると思いますが、大いに反省をすべきです。また、親としての気づきも大切ではないかと痛感しました。思春期になると親子の会話も少なくなるかもしれませんが、顔の表情や食欲など何らかのサインがあったときは親として積極的に関わるべきで、学校だけをパッシングして終わらしてはいけないと思いました。

今月は最近の予防接種の成果についてお話をしたいと思います。7年前のヒブワクチンに始まり、肺炎球菌ワクチン・不活化ポリオワクチン・ロタウイルスワクチンと新しいワクチンが次々に登場し、昨秋は水痘ワクチン、来年にはB型肝炎ワクチンが定期接種化されます。飛躍的に国内の予防医学におけるワクチンの環境がよくなっています。日本はワクチン後進国と言われていましたが、先進国にあと一歩まで近づいてきています。

 

麻疹排除を達成!

 強い感染力を持ち高熱や発疹など重い症状がでる麻疹(はしか)は、世界保健機関から日本が「排除状態」になったと認定を受けました。8年前はまだ日本で麻疹の流行があり、県内でも高校生を中心に流行がありました。麻疹の予防接種率が高まってきて、今回の排除で麻疹による持続的な感染は国内になくなりました。ただ、接種率が低下すると再び流行することがありますので、これからも接種率を高く保つことが大切です。1歳と年長の時期に2回の接種をお願いします。

 

水痘(水ぼうそう)にかかる人が減少!

 昨秋から水痘ワクチンの1~2歳児に対する定期接種化が始まり、医療機関での定点当たりの水痘にかかる発症数が例年の半分以下に減っています。接種したお子さんが今後さらに増えることにより、患者数が激減することが予想されます。水痘がまれな病気になる日もそう遠くはないでしょう。3歳以上(大人も含めて)で水痘にかかっていない場合は自費になりますが、2回接種をお勧めします。

 

ロタウイルスワクチンで点滴する人が激減!

 4年前、ロタウイルスワクチンが登場するまでは、ロタウイルスによる胃腸炎にかかると、重症化し点滴をしたり入院するケースが多く見られました。私自身、診療を長年していてロタが流行する冬は点滴処置をよく行なっていました。10年前の開業時は点滴を管理するための輸液ポンプが5台ありましたが、今は2台で十分です。ひと月に点滴を数人しか行なわなくなり、入院依頼をするお子さんも激減しました。

新潟県新発田市において、ロタウイルスワクチンの導入前2011年と導入後の昨年との比較で、重症化した患者数が約80%減少したという報告がありました。ロタウイルスワクチンにより胃腸炎で苦しむお子さんが大幅に減っています。ただ、副反応で腸重積のリスクが増加する可能性があると言われています。原因不明である腸重積は生後4か月から患者数が増えてくるため、腸重積になりづらい生後早期に接種を始めることが勧められています。まだ任意接種のため費用がかかりますが、お勧めしたいワクチンです。

ここ最近は製造工程で使用する細胞を変えたり、添加物を減らしたり、ワクチンの品質も向上し重い副反応の報告も減ってきています。ただ、副反応がまったくないワクチンはなく、接種した周りが赤くなったり、発熱がでることはあります。かかりつけ医とよく相談をし、お子さんのために前向きに接種をしていただけたら幸いです。

 

参考文献 

国立感染症研究所 感染症疫学センター

 

電気を考えよう3

 最近、家の屋根や遊休地に太陽光発電をみかけるようになってきました。山梨県は晴天率が高く、太陽光発電に向いています。遠方から運ばれる送電線の場合、最初に作られた電気の65%が失われてしまいます。電気を県内でまかなう「電気の地産地消」ができれば、県内で電気に関する仕事が増え雇用も生まれ、災害に強くもなります。山梨県は2050年に県内の電気を100%再生エネルギーにする計画を立てています。

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