• げんき夢こども園:055-268-5577
  • げんきキッズクリニック:055-268-5599ご予約はこちら
image

院長コラム

重症心身障がい児

小児科医から最新の医療情報と県内の子どもにまつわる情報をお伝えしております。
この内容は、県内子育て情報誌「ちびっこぷれす」の「午後10時、クリニックにて…〜おほしさまの先生からの子育て応援”談”!〜」に掲載されています。

 このたびの西日本豪雨災害の影響により被害を受けられました皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。一日も早く復興がなされますことを心よりお祈り申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
 3年前から小児訪問診療を始め、その家族(特に母親)の疲弊を少しでも軽減し家族の休息(レスパイト)をしてもらうため、医療的ケア児の日中一時預かり施設「スマイル」を開設し2年が経ちました。今月はお子さんや家族に寄り添った3年の経験談を皆さんにお伝えいたします。 

医療的ケア児は増えている

 生まれた時から重い障害があり、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な子どもたちのことを「医療的ケア児」と言います。厚生労働省の調査では医療的ケア児は約1.8万人(平成29年度)で10年前の2倍に増加しています。一方で3年前の厚生労働省の調査では、医療的ケア児に関わる親の負担が相当重く、睡眠をまとまってとれていない現状がわかっています。スマイルを利用時、体を休めていることがあり、日々のケアで疲弊していることが伺えます。

交流会での話

 日々のケアや病院への通院、リハビリなどで忙しい家族にとって、医療的ケア児やその家族間の交流を望んではいるが、なかなかできていないのが現状で、家族の現状では社会から孤立しています。こういった背景からスマイルでは年に1回、家族の集いを企画し今回で2回目になりました。昨年は3家族、今年は7家族と増えています。交流会の前に隣接しているげんき夢こども園の夏祭りと同時開催で、園のスタッフと園児・保護者のご理解で夏祭りに参加させていただきました。模擬店でカレーライス、かき氷などを食べ、ゲームにも参加させていただき、医療的ケア児の兄弟も一緒に家族で楽しむことができました。夏祭りの参加後、交流会が始まり、参加家族の自己紹介が始まり、1人1人が自分たちのこれまでの話をしました。辛かった思いを語る時は言葉に詰まったり、涙を流しながら語っていました。新米家族の不安な点を先輩家族がその不安に答える場面があり、交流会後はお互い話をしたり、連絡方法を聞き、母通しのお茶会を予定するなど、交流会をきっかけに親通しの親睦も生まれました。日常生活では経験できない当事者通しの交流は本当に貴重なことではなかったのではないかと感じました。明日からの生活へ元気をもらったと思いました。

バクバクの会~人工呼吸器ととも生きる

 バクバクの会は全国組織で人工呼吸器をつけた子どもたちの「いのちと思い」を何よりも大切にどんな障害があっても“ひとりの人間、ひとりの子ども”として、あたりまえに生きられる社会の実現をめざして活動をしています。6月末、げんき夢こども園のホールで、この会主催の上映会と意見交換会がありました。
上映会では「風よ吹け!未来はここに!!人工呼吸器をつけて地域で生きる~ともに生きる力を育もう」という題のドキュメンタリーで、人工呼吸器や医療的ケアを必要としながら、保育園や学校に通う子どもたちと、すでに自立生活をしている青年たちの様子が描かれていました。家族の思いや園・学校の理解で、医療的ケア児が普通の保育園や学校へ通っていたこと、成人になって自分の意志で親から離れ、グループホームで生活する姿を観て、その生き様に多くの勇気をいただきました。決してできないことはないんだということを思い知らされました。
さらに意見交換会では先ほどの交流会での家族とは別の5家族からの話を聞きました。多くの苦労話があり、この方々の多くの努力で今の私たちがいるんだと感じました。交流会のお子さんよりも年齢が高く、10~30歳台で親の世代も高齢になっています。親なき後の生活まで考える必要があること、それを社会が考えねばならないことだと実感させられました。
 最後に、現在山梨県において、約100人程度の医療的ケア児がいて、年々増加しています。医療的ケア児が生まれることがどのご家庭にも可能性があります。医療的ケア児は現在、健常なお子さんが普通に行ける保育園や学校に通うことが困難であります。実際、母親が、母親が就業できない現実もあります。多くの方のご理解があれば、一つ一つの課題を乗り越えることができます。

参考文献

バクバクの会 ホームページ https://www.bakubaku.org/
厚生労働省 医療的ケアが必要な障害児への支援の充実に向けて
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000180993.pdf#search=%27%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%9A%84%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AA%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E5%85%90%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%AE%E5%85%85%E5%AE%9F%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%27

 昨今の森友学園・加計学園問題さらに共謀罪強行採決の報道を目にするたびに、しっかりとした説明をせず、はぐらかしていく政府の対応に嫌悪感を抱きます。こんな大人の世界を子どもたちはどう感じているのでしょうか。
最近4歳のうちの娘は、自分の言うとおりにならないと「パパと結婚しないけど、いいの?」「アイスを3個買わないと許してあげない!」と色々な言葉を言って私を困らせます。私が「結婚しなくてもいい」と開き直ると、娘は「そうじゃない!」と憤慨します。数分もすると、けろりと忘れていつも通りに戻ります。日々成長する我が子との問答を楽しんでいます。
私は2年前から小児訪問診療を始め、その家族(特に母親)の疲弊を少しでも軽減するためにという思いで、家族の休息(レスパイト)として昨年3月から医療的ケアが必要な重症心身障がい児を昼間預かり施設を開設しました。そして6月10日に利用しているお子さんとその家族の集いを初めて行いました。今月はそこでの家族の声を皆さんにお伝えしたいと思います。

医療的ケア児とは

 生まれた時から重い障害があり、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な子どもたちのことを「医療的ケア児」と言います。文部科学省の調査では、特別支援学校や通常の小中学校に通っている医療的ケア児は平成26年度8,750人で8年前の1.5倍に増加しています。昔だったら救えなかった命が医療の進歩により助かるようになったことで、医療的ケア児は年々増えています。一方で2年前の厚生労働省の調査では、医療的ケア児に関わる親の負担が相当重く、睡眠時間をどの程度とれているかの設問には、睡眠をまとまってとれる(21%)・ある程度とれる(51%)・まとまってとれない(26%)という結果が出ています。このことからも充分な睡眠時間がとれていないことがわかっています。うちの施設を利用している方の家族も利用時、体を休めていることがあり、日々のケアで疲弊していることが伺えます。  

家族の集いから

 隣接する保育園で行なわれた夏祭り行事に参加し楽しんだ後に、交流会をしました。利用している6名のうち3家族が参加し、父親と兄弟も含めて家族全員来てくれました。初めの自己紹介では固い表情でしたが、話をしていくうちに互いに打ち解け、涙あり、笑いありの非常に充実した時間となりました。今回すべての家族で父親が参加してくださり、夫婦間での思いを確認することもできました。話の中で、母親から「もう、本当に、いっぱい、いっぱいでした」、「旦那もとてもよく子どもをみてくれる」父親からは「家内には本当に苦労をかけている」「生まれた時、本当につらかった、なぜ・・・」といった発言がありました。ある母親は話をするだけでつらかった日々を思い出して、涙があふれ言葉にならず、それを聞いた他の母親たちも涙顔となり、聞いていた私自身、言葉では言い表せない気持ちになりました。夫婦間だけでは消化できなかったことも、同じ境遇の家族間だと分かり合えることも経験できたのではないでしょうか。さらに医療的ケア児の兄弟に対して忙しさのあまり「ちょっと待ってね。」ばかり言ってしまい、がまんばかり強いている・負担をかけていると言っていました。保育園に受け入れてもらえないこと・学校においてはスクールバスでの利用ができず、毎日親が送迎をしなければならない等のことから、既存の制度では医療的ケア児に対しての想定ができていない実態を知りました。
 実はこの交流会に参加を予定していた2家族が欠席しました。1家族は直近で入院してしまいました。もう1家族は父親が仕事のため、移動に人手が必要で人手がないための欠席でした。そのお子さんは人工呼吸器を装着しているため母親1人だけでは車での移動ができずに参加することができませんでした。

皆さんに伝えたいこと

 普通のお子さんを持つご家庭でも、日々の子育てはたいへんだと思います。さらなる負担がある医療的ケア児を持つ家族はなおさらです。そのため、落ち着いて物事を考えたり、家族でゆっくりと生活を営むことさえままなりません。その現状を皆さんに知っていただけたらと願っています。医療的ケア児とその家庭が安心して生活ができるような社会を作っていくことが今、私たちに求められています。

参考文献 

厚生労働省 医療的ケア児について

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000118079.pdf

全国医療的ケア児者支援協議会ホームページ http://iryou-care.jp/problem/

 

ようやく暑い夏が終わります。皆さんの夏の思い出は何ですか?私はある猛暑の日曜日、3歳の娘と2人で緑ヶ丘のプールに行きました。車ではなく自転車で行きたいと駄々をこねられて、汗びっしょりになって20分間自転車をこぎながらようやく到着しました。プールでは顔を水につけることができ喜んでいる娘の様子を見て、成長を感じ暑さも忘れて楽しみました。

7月末に起きた相模原障がい者殺傷事件はあまりにも悲惨な事件でした。被害者の方にお悔やみ申し上げます。「障がい者はいらない」という発言にはまったく正当性はなく憤りを禁じえません。今年4月施行された「障害者差別解消法」には障がいのある人もない人も互いにその人らしさを認めながら、共に生きる社会をつくることを目指そうという内容です。この法律が目指す社会づくりに微力ながら尽力していきたいと改めて感じました。

今月は昨秋、北杜市にある「あおぞら共和国」にボランティアで草刈りしたことがきっかけで、難病の一つSSPE(亜急性硬化性全脳炎)のサマーキャンプに参加してきましたので皆さんに報告します。

 

「あおぞら共和国」とは

 あおぞら共和国はNPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」が北杜市に整備を進めている施設です。難病や障害のある子ども達とその家族が、ゆっくりと気兼ねなく数日間過ごせる別荘で、今年4月には山梨県歯科医師会や日本財団等の支援を受けて3号棟ロッジが完成し整備が進行中です。

 

SSPE(亜急性硬化性全脳炎)とは

亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis SSPE)は麻しん(はしか)に感染してから数年の潜伏期間の後に発病し、発病後は数か月から数年の経過(亜急性)で神経症状が進行するという病気です。治療法は確立されておらず、現在でも予後が悪い病気です。麻しんにかかった数万人に1人がSSPEを発症し、患者数は現在全国に150人程度います。以前は年間発症者数10~15人くらいでしたが、麻しんワクチンの普及により最近の発症者はほとんど見られません。現在、定期接種で1歳と年長さんに麻しん風しん混合ワクチンを2回接種することによりこの病気が予防できていることをサマーキャンプで再認識させられました。

 

サマーキャンプに参加して

SSPE青空の会では1986年以降、毎年関東周辺で2泊3日のキャンプを行なっています。今年は初めてあおぞら共和国で開催されました。患者さんとその家族が中心となり、医療者・教育者・福祉関係者など総勢50名を超える方々の参加がありました。医師と患者さんの家族を囲んでの勉強会では治療法について真剣な議論が交わされました。その後の交流会ではBBQで地元の新鮮な野菜や肉を食べました。BBQ後のゲーム大会では患者さんも参加しチームに分かれ老若男女問わずゲームを楽しみ、中でも伝言ゲームはたいへん盛り上がりました。交流会の中で患者さんの家族から病気になった経緯を聞く機会を得ました。「ワクチン接種対象年齢前の0歳代に麻しんにかかりその後は全く元気に普通の生活をしていましたが、楽しい高校時代を送っていた時期に足のピクつきがはじまり、やがて寝たきり生活になってしまった」「親としては発症し急激に症状が悪化しているにも関わらず何もできずにいたことが一番つらかった」という内容でした。私も元気な高校生の息子をもつ父親でもあるため、話の内容が想像できて本当に切ない思いになりました。

 

チャリティーウォークに参加しませんか?

2013年以降毎年恒例で行なわれているチャリティーウォークが今年も10月に予定されています。日野春駅からあおぞら共和国までの12kmを難病の子ども達と一緒にみんなで歩く催しです。私も今回家族やスタッフと共に初参加し、あおぞら共和国に関する理解を深めていきたいと考えています。

 

ご寄付本当にありがとうございました

皆様のご寄附のおかげで重症心身障がい児日中一時預かり施設(スマイル)の工事が無事完了しスタートすることができました。200万円を超える寄付をいただきました。

寄付をいただいた方の中には、生前、難病の息子さんが作業所で働いて貯めていたというお金を「この子が生きていた証に・・・」と寄付して下さった方がいました。スマイルの部屋に掲げられている寄付者ネームプレートの一つがその亡くなったお子さんの名前となっています。私も職員もこのネームプレートを見るたびに胸が熱くなり、お預かりするお子さんやご家族の負担が少しでも減るように、この事業を進めていかなければと痛感させられます。ご協力いただきました皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

 

先月「育休」についてお話しした矢先、育休宣言をした衆議院議員がまさかの不倫疑惑報道での辞職。多くの方が呆れ果てたのではないでしょうか。妻である金子議員の精神面が心配されます。出産後の女性はホルモンバランスの変化などにより「産後うつ」など精神的に不安定になる傾向にあります。生まれてきた子どもには罪がないので、健やかに育っていって欲しいと願っています。

さて今月はうちのクリニックで始まる重症心身障がい児日中一時預かり施設についてお話します。

 

始めるきっかけ

 ちびっこぷれすの広告をきっかけに依頼があり、1年前から子どもの訪問診療を始めました。月に2回車で訪問しています。そのお子さんは自分で呼吸ができず、口から食べることができないため、人工呼吸器で呼吸を助け、流動食をチューブで胃瘻から胃に入れています。さらに数時間ごとの体位変換も行なっています。特に入浴介助などは家族のみでは難しいため、訪問看護・訪問介護・訪問リハビリを利用しながら生活しています。私は自宅に訪問しお子さんの診察・機器を確認、そして母親から様子を聞き1時間程でクリニックへ戻ります。両親・家族がやらなければならないことは多く、お子さんから離れられず24時間見守っています。近くで見ていて、私だったら長く続けることはできないし倒れてしまうと感じるほどです。幸い、病院で月に数日間、預かってもらってレスパイト(家族の休息)できるのですが、それだけでは家族の負担はまだまだ多いのが現状です。

 昨秋、レスパイト事業で全国的に注目されている能見台クリニック(横浜市)に見学に行ってきました。そこでは訪問診療は行なっておらず、ケアが必要な重度のお子さんを看護師や介護士・保育士などの多職種で昼間預かる施設でした。訪問に行くよりも昼間クリニックでお預かりした方がより家族のレスパイトに繋がるのではないかと考えるようになりました。一方で、家族は24時間介護する生活が普通になっていることから、自分たちの休息のためにレスパイトを利用するということよりも、日々在宅で生活している子どもに、家の外で子どもらしい経験を少しでもさせてあげたいという親としての思いが強いようです。しかし、一方で家族が一人でも体調を崩すことで、今の生活が成り立たなくなるという不安も常に抱えています。

子どもにとってもひな祭りやクリスマスなど様々なイベントや、部屋の外で家族以外と連れ会う時間を確保し、家族にとっても子どもの介護のみに縛られない自分の時間を持ち、大切なお子さんとの時間で疲れ切ってしまうことがないような重度心身障がい児を支える施設の必要性を痛感しました。

 

3月9日からスタート!

 レスパイト施設を開所するために、見学から帰ってきてから県の障害福祉課で協議を重ね、手続きが完了し実施できる見通しがたちました。こちらの1日でも早くスタートしたい思いが伝わり、県の担当者の方が献身的に進めていただけたことから協議開始から3か月半という早いスタートでした。県庁障害福祉課職員の皆さんからの期待や励ましは大きな力となりました。受け入れ場所はクリニックを改修し、看護師や隣接する保育所保育士が担当させていただきます。食事の面では、保育所の給食室で毎日手作り給食とおやつを、その子どもに合わせて(ミキサー食・きざみ食など)提供することができます。もちろん、子どもたちに人気のお楽しみ給食もあります。子どもが楽しみにするイベントが食の面でもサポートできたらと考えています。対象者は重症心身障がい児で人工呼吸器・痰の吸引・経管栄養などの「医療的ケア」が必要なお子さんとなります。詳細はげんき夢保育園(055-268-5577)までご連絡ください。重症心身障がい児がいるご家庭の苦労は計り知れません。少しでもお手伝いができれば幸いです。どんなお子さんでも安心して過ごせる社会になれるように願っています。また合わせて、看護職・保育職のスタッフも募集しています。興味関心がある方、ぜひ問い合わせください。

 

寄付のお願い

クリニックには受け入れスペースがないため、増築工事をしなければならず、それにかかる費用が約七百万円かかり悩みとなりました。能見台クリニックと同じような施設をひばりクリニック(宇都宮市)が行なっていて、そこで施設補助をクラウドファンディングという資金調達法で行なったことを知りました。今回、この場をお借りして施設補助の寄付をお願いできたらうれしく思います。ちびっこぷれすのフェイスブックでも周知していただき、既に多くのご協力をいただいております。アドレスは(http://readyfor.jp/projects/genkiyume21)となります。クラウドファンディングを通じての寄付は3月17日までとなります。どうぞよろしくお願いいたします。

先月紹介させていただいたチャリティーバザーには、たくさんの来場者の方にご協力いただき寄付を集めることができました。場所を提供していただいたフォネットさん・商品の提供をしていただいた初花さん・KO堂さん、そして多数のボランティアの方々のお蔭であると感じました。当日私も慣れない売り子や声かけをさせていただきましたが、終わった後、清々しい気持ちになりました。参加してくださった皆さんご協力ありがとうございました。

今月は「小児在宅医療」というまだ新しい分野について皆さんにお伝えしたいと思います。医療技術が進歩し救命率が向上する一方、重度の後遺症を残した子どもたちが増えてきました。医療機器の進歩に伴って、様々な医療行為が自宅で可能となり、自宅で家族とともに生活できるようになってきています。長期入院をせず家で過ごせることはたいへん喜ばしいことではありますが、いざ外出となると人工呼吸器や携帯用酸素ボンベを持ちながらベッドや車いすで移動することは大変な労力を必要とします。高齢者ではよく行われている在宅医療が子どもの分野でも必要とされる時代がやってきています。

 

家族の負担は極めて大きい

 子どもは家族と過ごすことが幸せであることは誰も否定することはありませんが、重度の後遺症を残した子どもを受け入れる家族の負担は非常に大きなものです。人工呼吸器がある場合、定期的に痰を吸引したり、食事はチューブから胃に栄養を送ったり、体位交換したり、入浴、排せつのケアを訪問看護・訪問介護・訪問リハビリを利用しながら家族が特に母親が中心となって対応しています。家族の肉体的精神的な負担は計り知れません。また県内には子どもに慣れている訪問看護などのサービスはまだ少数しかないのが現状で、このようなサービスがうまく利用されていない場合もあります。

 

レスパイトは絶対必要!

 人工呼吸を使っている場合、家族は24時間常に子どもの様子を見守らないといけません。痰がつまって苦しがるときには吸引する必要もあります。対応を中心に行うのは母親がほとんどです。精神的肉体的な疲労は定期的に解消していかないと、母親が倒れてしまい、残された兄弟は母の苦労を気遣い、甘えることを躊躇してしまいます。レスパイトとは「ほっと一息つける時間」という意味で、お子さんを一時預かることで家族がリフレッシュすることを目的としています。県内では一部しかなく、もっと利用しやすくするための整備を進める必要があります。

 

訪問診療を今春から始めます

 私は3年前にこの分野に興味を持つようになり、学会などで勉強や実習を行ってきました。昨年、東京の大部分を数名の医師で子どもの在宅診療を専門に行なっている「あおぞら診療所」・宇都宮市で開業しながら在宅医療とレスパイトを行なっている「ひばりクリニック」・熊本県で国内でも数少ない小児専門訪問看護ステーション「ステップキッズ」の3か所へ赴き、見学をさせていただきました。診察室での診療はいつも慣れているのですが、患者さんのお宅へ訪問するということは初めての経験で緊張しながら見学をしました。訪問させていただいたお母さんから「先生が来るので、とても安心でき、ちょっとしたことでも相談ができるので、たいへん助かります。」といった生の声も聞くことができ、大変有意義な経験をしました。県内でも同様に在宅でみているご家庭があるかと思います。

4月から当クリニックで訪問診療を始めたいと考えています。勉強しながらの対応となりますが、ご希望のご家庭がいましたら、ご気軽にうちのクリニックまでお電話で問い合わせていただけたらと幸いです。家族の笑い声や季節の香りに囲まれた中でお子さんが成長する、そんな当たり前の生活をサポートしご家族に寄り添っていきたいと思います。

 最後に、どのお子さんにも重度の後遺症をかかえることが起こることがあります。みなさんにも子どもの在宅医療の実情を知ってもらい、すべてのお子さんが安心して生活ができる整備づくりに繋がってほしいと願っています。

 

水痘ワクチン、特例措置の期限迫る!

3~4歳のお子さんで水痘ワクチンを1回も接種していない人は今月末までに定期接種として1回の接種が受けられます。接種券が必要となりますので市町村にお問い合わせください。昨秋から水痘ワクチンの定期接種が始まっています。2歳までに2回接種ができます。

ページトップ