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院長コラム

今夏は猛暑で大変でした。連日の熱中症警戒アラート発生に、子ども達の外での遊びも制限せざるを得ない夏になりました。みなさんの夏休みはいかがでしたか?久しぶりの行事への参加・実家への帰省など各々の思い出ができたと思います。

私の夏の思い出の一つ目が神明の花火大会(市川三郷町)です。約2万発の花火は素晴らしすぎで感無量でした。二つ目は息子の部活大会の応援です。大学生の息子がボート部に所属しています。昨年の大会は猛練習していたのですが、大会直前に部員1人がコロナに罹り全員が出場停止となりました。今年は無事大会にシングルで出場し、なんと2位との差が0.3秒という僅差で優勝しました。息子の喜びを一緒に共有することができ、仲間の部員に胴上げされている息子を目にしてよい思い出となりました。

今月は先月に引き続き、認知度は高まってきたが、まだまだ関心が薄いLGBTQ+についてさらに理解を深めていきましょう。

 

SOGIE(ソジー)って?

 SOGIEは性の多様性を表す際に使われる言葉で、性的指向(好きになる性別:Sexual Orientation)、性自認(自分の性別についての認識:Gender Identity)、性表現(服装や髪形など性別についての表現:Gender Expression)の頭文字を取っています。LGBTQ+は「どんな人」であるかを表すのに対して、SOGIEはLGBTQ+だけでなく、誰もが持っている性の要素です。これらの要素の組み合わせで性のあり方が決めると考えることができます。

 

SOGIEハラ(そじはら)に注意!

 LGBTQ+の当事者であると周りに伝えることを「カミングアウト」と言い、カミングアウトされたことを、本人の同意なく、第三者に「その人がLGBTQ+である」ことを暴露することを「アウティング」と言います。

 SOGIEハラはアウティングやSOGIEに関する差別やいやがらせのことを言います。「女の子なのに」「男らしくない」「あの子レズなんじゃない?」「あまえらホモかよ」「女の子なんだからちゃんと制服のスカートをはきなさい」などはSOGIEハラになりますので気をつけましょう。

 2020年6月から施行された改正労働施策総合推進法(いわゆる「パワハラ防止法」)に基づき、SOGIEハラ防止の対応が企業や地方自治体に義務づけられています。

 SOGIEハラを見かけた場合は注意をしたり、他の話題に切り替えたり、SOGIEハラを受けた人に後から声をかけたりして、サポートできると良いと思います。一緒になって笑ったりするような同調行為をしないように気をつけるべきです。

 

LGBTQ+の人たちの現状

 周りの人にカミングアウト(公表)しているLGBTQ+の人はまだ少ないのが現状です。最新の厚生労働省の調査によると、「誰にもカミングアウトしていない」という回答が6~7割に上っています。気づく時期は思春期が多く、中学卒業までに約9割の当事者は自覚していたという調査結果もあります。

また、性のあり方は肌の色や目の色などと同じように、基本的には生まれつきと考えられています。努力して治る類のものでもありません。例えば、恋愛対象として「異性が好き」という方が、気づいたら異性が好きという感情が自然に芽生えていて、同性が好きになるように努力してもそうならないのと同じと考えてください。

これまでの社会の仕組みがLGBTQ+の存在を想定せずに作られているために、自分の性別に違和感を持たず、異性が好きな人しかいないという前提が広く共有されています。このため、疎外感を味わいながら生きている当事者も少なくないことを知っておくことが大切だと思います。

 

カミングアウトされたら

 カミングアウトされた時は、驚いたり、当惑したり、様々な感情が湧きおこるのは自然な反応です。もしかしたら本人も、とても悩んで、必死の思いであなたに打ち明けたかもしれません。まずは本人の話をじっくり聴いて、どうやって寄り添っていけるか一緒に考えてほしいと思います。また、聴いた話は本人の同意を得ずに勝手に他の人に伝えない(アウティングしない)ように注意してください。本人はできたら、特別扱いせず、一人の人として尊重してほしいと思っています。「一人で悩んでつらかったでしょう。私に話してくれてありがとう。何か困っていることがあったら遠慮せずに言ってね」というような受け止めが嬉しかった、肩の荷が下りたという当事者の声も聞かれるようです。

 私自身、カミングアウトされた経験はありません。LGBTQ+の人たちは私たちの周囲にいて、いろいろと悩んでいます。カミングアウトしやすい社会になると、当事者がもっと生きやすくなってくるのではないでしょうか。

 

参考文献

LGBTQ+/SOGIEの基礎知識 明石市ホームページ

 梅雨明けする前から猛暑といわれる暑さですね。熱中症にはくれぐれも気をつけてください。最近の学校でのマスク着用は小中高とも比較的男子は多くがはずせているようです。一方で小中高の女子は周囲の目が気になって、多くがはずせないでいるようです。2学期に入ったら、互いにマスクなしで会話ができると良いですね。

 7月初旬甲府七夕祭りが3年ぶりに開催されました。うちの娘は母親とお友達と一緒に行ってきました。私が帰宅後の娘に感想を聞いたところ、「楽しかった!」と言ったので何が楽しかったのかと聞いたら、「とにかく楽しかった!」と何もかもが楽しかったようで興奮していました。コロナ禍だった3年間、いろいろな行事がなくなって体験できていなかったので、この夏はなるべく多くの体験をさせてあげたいと思っています。

 2023年6月にLBGT理解増進法が施行されました。今月と来月にわたってLGBTQ+についてみなさんと理解をより深めていきたいと思います。

 

性を構成する4つの要素

 「性のあり方」は一般的に言われる「男性」「女性」という二通り以上にもっと多様であるという考え方が広がっています。人の性を構成する4つの要素として①出生時に割り当てられた性別(身体的性)②自分の性をどのように思っているか(性自認)③どのような性別の人を好きになるか(性的指向)④服装や髪形、しぐさ、言葉遣いなどを通して、自分がどのような性であると表現したいか(性表現)があります。

 

LGBTQ+って?

 LGBTとは、Lがレズビアン(女性が好きな女性、女性同性愛者)、Gがゲイ(男性が好きな男性、男性同性愛者)、Bがバイセクシャル(男性も女性も好きになる人、両性愛者)、Tがトランスジェンダー(身体的性別と性自認が一致しない人)、それぞれ四つの性的なマイノリティの頭文字をとった総称で、性の多様性を表す言葉です。L・G・Bは性的指向、Tは性自認にあたります。LGBTの4つがよく知られていると思います。

しかし、実はもっと様々な性があります。性的指向も、はっきり同性愛、異性愛とくくれない人もいます(基本的には異性愛でも、ごくまれに同性にも惹かれるなど)。性自認も、男性にも女性にも当てはまらないという人、流動的な人(昨日は男性、今日は女性と移り変わる人など)、さまざまです。つまり、いわゆる「セクシュアルマイノリティー(性的少数者)」は、LGBTの四つだけではなく、もっとさまざまな分類があります。Qはクエスチョニング(自分自身の性的指向や性自認がはっきりとしていない人)またはクィア(性的マイノリティを包括する)を意味します。+はLGBTQ以外の多様な性を表しています。また、はっきりと区切られるものではなく、性のあり方は「グラデーション」であると言われています。

 

LGBTQ+の生きづらさを知る

 2020年12月に電通が行った全国20~59歳の計6万人を対象としたLGBTQ+に関するインターネット調査があります。LGBTQ+に該当する人の割合は8.9%、40人のクラスがあれば3~4人が性的マイノリティに当たります。認知度は80.1%(5年前、37.6%)であり、認知度は高まってはいるが、周囲にLGBTQ+当事者がほぼいないなど、自分事として考えるきっかけがないことがわかりました。

 認定NPO法人ReBitが2022年9月、全国の12~34歳のLGBTQ+当事者約2600人にインターネットで調査しました。10代LGBTQ+は過去1年に48.1%が自殺念慮、14.0%が自殺未遂、38.1%が自傷行為を経験と回答。日本財団の「日本財団第4回自殺意識調査(2021)」と比較し、10代LGBTQ+の自殺念慮は3.8倍、自殺未遂は4.1倍と高い状況にあることがわかりました。さらに、約9割が保護者や教職員に相談はできないなど、自殺や孤独・孤立の高いリスクを抱えていました。

LGBTQ+の人々や子どもたちに対して、学校でのいじめや職場でのハラスメントがたくさんあり、心無いいじめや差別の中で、生きていく展望を奪われて自殺に追い込まれる人々・子どもたちもたくさんいます。

以前、私が大学生に対して講義をしたときに、外見が男っぽい感じだったので勝手に男子と思いこんでしまい、「○○くん」と声をかけて、周囲の学生から女子であると教えていただいたことがありました。その学生にはすぐに謝罪をしましたが、大変申し訳ないことをしました。外見だけで、性別を区別してはいけないと反省した苦い経験です。性的マイノリティの人たちが偏見や差別を受けることのない社会をつくるために、まず私たちは無関心でいるのではなく、理解していかなければならないと思います。

 

参考文献

LGBTQ+/SOGIEの基礎知識 明石市ホームページ

LGBTQなど性的マイノリティを取り巻く問題。私たちにできること 日本財団ホームページ

LGBTQとは わかりやすく活動家が解説 SDGs ACTION!

電通、「LGBTQ+調査2020」を実施 株式会社電通

調査速報 10代LGBTQの48%が自殺念慮、14%が自殺未遂を過去1年で経験。

 夏がやってきました。この3年間は制限の夏だったので、今夏は思いっきり遊んでください。コロナ禍だった頃、子どもたちが診察に来ると「鼻の検査する?」と泣きながらやらないでほしいと訴えてくるお子さん達に、熱がある場合はコロナの検査をしてきました。5類以降、コロナの検査をする機会が減り、子どもたちの検査の負担が減ってきてホッとしています。最近、感染対策の緩和、コロナ以外の感染症に対する免疫の低下のためか、RSウイルス・インフルエンザ・夏風邪・胃腸炎などの感染症が流行しています。

 5月末、うちの娘(小5)の運動会が保護者の人数制限なく盛大に開かれました。バトンリレー・組体操・ダンスに取り組んでおり、運動会の練習が始まったとたんテンションが上がっていました。当日は娘の姿を見て、成長を感じることができる日となりました。運動会は午前中のみの開催で午後までの開催を知る親としてはちょっぴり物足りなさを感じますが、先生方の働き方改革・子どもたちの練習の負担の両面から考えると妥当性を感じました。

 国立感染症研究所から国内の麻しん患者数が6月4日時点で14人と発表がありました。2020年10人、2021年6人、2022年6人の患者数から考えると、今年は今後の患者数の増加が懸念されます。まだ患者数が少ないのでパニックになる必要はありませんが、この機会に「麻しん」という病気を知っていただけたら幸いです。

 

麻しんとは

 麻しんは麻しんウイルスによって起こり、感染力は非常に強く、空気感染・飛沫感染・接触感染によって感染します。感染から約10日後に熱・せき・鼻水などの症状がでて、その後全身に発疹が出てきます。肺炎・中耳炎の合併症を伴うことも多く、1,000人に1人が死亡する重い病気です。特効薬はなく、確実な予防法は予防接種です。診断はインフルエンザのような迅速検査はなく、症状が熱・咳・鼻水といった風邪と同じような症状であるため、初期の診断は困難です。麻しんワクチンをしている人でもかかる場合はあり、症状が軽くなるため、

診断はさらに難しくなります。

 

麻しんにかからないために

 麻しんを予防する唯一の方法はワクチン接種です。定期接種で子どもたちは1歳台と年長で2回接種をします。まず1歳になったらすぐに接種をしてください。一番心配なのは接種対象の時期でない1歳前のお子さんです。

今年の麻しん患者の感染経路が共通の公共交通機関(新幹線などの電車)であったことが明らかにされています。麻疹ワクチンをしていない1歳前のお子さんは電車などの公共交通機関の利用を控えた方がよいのではないかと思います。さらに厚生労働省は麻しんが疑われる症状があった場合は、受診前に医療機関に連絡し、公共交通機関の利用は控えてほしいと述べています。

 大人も子どもと同じで麻しんワクチンを2回接種しているか確認してください。母子手帳をみて、わからない場合は血液検査で麻しんの抗体検査を行い、低い場合は接種をしてください。抗体検査は自費になるため、ワクチン接種していないようなら抗体検査をせず、ワクチンを2回接種しても構いません。迷うようであれば、かかりつけ医に相談をしてください。

 

麻しん感染により難病を患うことも

 麻しん感染により発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という難病があります。麻しんに感染してから数年の潜伏期間の後に発病し、発病後は数か月から数年の経過で神経症状が進行する病気です。治療法は確立されておらず、現在でも予後が悪い病気です。麻しん患者の数万人に1人が発症します。患者数は現在全国に150人程度います。以前は年間発症者数が10~15人くらいでしたが、麻しんワクチンの普及により最近の発症者はほとんどみられません。

 私はSSPEにかかったお子さんを持つ家族の会(SSPE青空の会)が行っているサマーキャンプに数年前から参加させていただいています。以前サマーキャンプで参加した時に、ご両親から聞いた話をお伝えします。「ワクチン接種対象年齢前の0歳代に麻しん感染し、その後は全く元気に普通の生活をしていましたが、楽しい高校生活を送っていた頃、足のピクつきがはじまり、やがて寝たきり生活になってしまった」「親としては発症し急激に症状が悪化しているにも関わらず、何もできずにいたことが一番つらかった」という内容でした。話を聞き、私はやりきれない気持ちでいっぱいになりました。麻しんに感染するとまれにSSPEにかかることがあります。この家族の会は、家族の交流だけではなく、SSPEという病気がなくなるために、麻しんワクチンを接種してもらうためにお子さんを連れて、学会や厚生労働省に接種を呼びかける活動をしています。

同じ思いの家族を出さないためにという活動に敬意を表します。

 

参考文献

国立感染症研究所 感染症発生動向調査2023年第22週(5月29日~6月4日)

厚生労働省 麻しんについて

SSPE青空の会

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)(指定難病24)(難病情報センター)

 

 今月は梅雨、すっきりしない天候が続きますね。2023年4月末、うちの家族7人で東京で開催された「第4回夢の大橋あおぞらマラソン大会」のハーフリレーマラソンに参加しました。1周1.5㎞を14周、妻と娘が1周ずつ、私が2周、4人の息子が残りの周をバトンでリレーしました。家族7人で互いを励まし合い、家族の絆が深まりとても楽しい思い出となりました。結果は1時間26分、堂々の1位でした。来年も出場しようと思っております。

3月13日からマスク着用は個人の判断が基本となっていますが、多くの方がマスク着用をしていることが気になっています。本当はマスクをはずしたいと思っている人でも人目を気にして着用を続けている人も多いと思います。私は最近、診療以外ではマスクを思い切って取るようにしました。現在、コロナは季節性インフルエンザと同程度の病気と言われています。これからの季節、熱中症の予防などからも子どもたちにはマスクを外して生活をしてもらいたいと思っています。子どもは大人の真似をします。学校・園の先生方にはぜひ、マスクをはずして子どもたちと接してもらいたいです。うちのクリニック隣のこども園は現在、先生もマスクを外して保育をしています。

 5月14日、甲府市のやまなしプラザでLet’s Save A Child in Yamanashi Project主催の「第13回親子で学ぶ心肺蘇生講座」にうちの娘(小5)と私で参加をしてきましたので皆さんにこの講座の内容をお伝えします。

 

PUSHプロジェクトについて

 突然死とはいつでもどこでも誰でも起こる可能性があります。突然心臓が止まってしまった場合、助かる可能性は数%と非常に低く、日本で毎年約7万人が心臓突然死で亡くなっている現状があります。突然、心臓が止まった場合、一刻も早く胸骨圧迫を開始し、AED(自動体外式除細動器)を用いて、電気ショックをかける必要があります。「PUSHプロジェクト」とは、NPO法人大阪ライフサポート協会が中心となって活動しており、胸骨圧迫とAEDの使い方の普及を通じて、突然倒れた方を救命できる地域づくりを目指しています。

 

この講座に参加して

 第一部はPUSHプロジェクトの学校PUSHコースというプログラムで、映像をみながら、命の大切さを考え、胸骨圧迫・AEDのやり方を学びました。第二部は実物大の人形と練習用のAEDを使っての実技指導がありました。

『人が突然倒れたら心停止を疑い、119番通報とAEDを要請し、直ちに胸骨圧迫を行うことが大切であること』『胸骨圧迫は救急隊が来るまで休まずに交代をしながら、胸の真ん中、胸骨の下半分の位置で手の根元を使って、5cmの深さ、100-120回/分で行うこと』を学びました。そして、救急隊やAEDが到着するまでであれば、人工呼吸を行わない胸骨圧迫だけでも救命効果が充分にあることも説明してくれました。

1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下するため、救急隊を待っていては命を救うことができません。各学校へAEDが設置されていますが、そのAEDを適切に使用できるか私たちにかかっています。

話を聞くだけでなく、実際の場面を想定し体を動かし声を出しての体験学習は学びが深まりました。ボランティア含めたスタッフの方々もたくさんいて、丁寧に教えていただくことができました。ありがとうございました。

 

AED設置について

 日本循環器学会のAED検討委員会から「学校での心臓突然死ゼロを目指して」の中に、学校内の設置推奨場所については『人目のつきやすい場所』『学校内のどの場所からも片道1分以内で取りに行ける場所』『グランド、プール、体育館など心停止が発生しやすい場所へのアクセスを考慮する』『保管場所は施錠せずに24時間365日アクセス可能な状態にする』などが提言されています。各学校で設置場所を再確認していただけたら幸いです。

 

Let’s Save A Child in Yamanashi Projectについて

 「山梨県における学校での生徒突然死ゼロ」を目指し、生徒への心肺蘇生方法を普及させるための市民講座をこれまでに13回開催しています。県内病院の小児科医・看護師らのスタッフで運営しています。親子で参加できる無料イベントでありながら、内容のレベルが高く、専門スタッフから直接学ぶことができる貴重な機会だと思いました。また、心肺蘇生法を学びながら、親子の触れ合いにもなりました。ぜひ皆さんも参加されることをお勧めします。

 

参考文献

PUSHプロジェクト ホームページ

学校での心臓突然死ゼロを目指して 日本循環器学会AED検討委員会

 

とても過ごしやすい季節になりましたね。私は先月2日に行われた「第18回笛吹市桃の里マラソン大会」で20キロに出場しました。当日は天候に恵まれ、さらに桜と桃の花がダブルで咲き誇り、景色を満喫しながら走ることができました。1時間52分と記録も満足のいくものでした。

先月から学校でのマスクの着用の考え方について文科省から通知がありました。「マスクの着用を求めないこと」「給食での黙食を求めない」と変更となりました。いよいよ、マスク着用せずに済むようになりましたが、うちの娘(小5)に実際の学校の様子を聞くと、クラスでマスクしていないお子さんはたった1人だけのようです。もちろん、先生も着けているそうです。3年間、マスク着用を続けていたので無理もないと思います。とはいえ、給食は黙食でなくなったことで、娘は大喜びしていました。お話をしながらの食事は格別ですよね。

ゴールデンウイーク明けからは新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類になります。暑くなり、熱中症が気になる季節に入りますので、マスクをはずせるお子さんが多くなることを期待します。

今月は子どものマスク着用についてお話したいと思います。

 

マスクバイバイ

今月は私が尊敬している山口県下関市で開業している小児科医金原洋治先生推薦の絵本について紹介します。「マスクバイバイ」(作いしもとみかよ、東京図書出版)という書籍で3月に出版されました。マスクの世界で過ごした3年間。お友達や先生の顔を見ないで過ごした子ども達。そんな子ども達のこころの声が絵本になっています。この本のあとがきには「『命』を守ることは大切ですが、子ども達の変わってしまった毎日を今一度考えてほしい。子ども達に、笑顔いっぱいの未来の扉が開かれますように。」と書かれています。本音を大きな声で伝えられない子ども達の素直な感情が描かれており、読んでいて胸が締め付けられる思いがしました。

同時にマスクとの付き合い方を再考していく必要性を感じました。

 

私たち大人からマスク外していきませんか?

 子どもたちにマスク外していいよと言っても、大人が外していかないと難しいと思います。成長期である子ども達は顔の表情を読んで学んで大人になっていく大切な時期です。周囲の目やコロナ感染も気になると思いますが、そろそろ私たち大人、特に学校・園の先生方には率先してマスクを外していただきたいと思います。そこから、子ども達も安心してマスクを外し始めるのではないかと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

 

同調圧力を気にしすぎないで

 このコロナの3年間で、親も子もストレスを抱えています。マスクをはずしてもいいよと言われたものの、島国で人の入れ替わりが少ないこともあり、お互いのことを気にして生きていく国民性の中では、なかなか難しいのが現状です。そのため、集団で意見や行動を多数派に合わせるように仕向けるための無言の圧力である「同調圧力」が今回、マスクを外せずにいる原因の一つとも考えられています。同調圧力が強すぎると、マスクを外したい人も外せません。

文科省の学習指導要領の中に、学校で学んだことが子ども達の「生きる力」になってもらいたいこと、さらに「主体的な学び」について言及されていています。主体的とは「自分の意志・判断で行動する」ことを意味します。同調圧力を気にすると、主体的な学びになりません。マスク外しも主体的な学びにも同調圧力を意識しすぎないことが必要ではないかと考えます。

 

こころが疲れたとき

 先月、日本小児科学会で国立成育医療研究センターこころの診療部田中恭子先生の話を聞いてきました。コロナ禍で親も子もこころが疲れた時の対処法として、ストレスに気づいたときのセルフケアがあり、同センターのホームページに動画がアップされているそうです。この動画は4部構成で全部みても10分で終わります。ぜひ、親子の心のケアにご活用ください。

 

参考文献

学習指導要領 文部科学省

こころが疲れたときのリラクゼーション動画 国立成育医療研究センター

 

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