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院長コラム

平成30年9月号(Vol.160)
いじめ問題について考える

2018/09/01

 今年は本当に暑い夏でしたね。昼間外にでると、「暑い」を通り越し、「痛い」と感じたのは私だけではなかったと思います。暑さのため、うちの娘とプールに行くことが多く、娘がプールの中を生きのいい魚のように楽しそうにバタバタと泳ぐ姿が愛らしく夏の思い出となりました。
 今月は「いじめ問題」について考えたいと思います。先月、NHKで「自殺の主要な原因はいじめ」についての報道番組を観ました。番組では2年前に青森市中学2年生女子が列車に飛び込み自殺したケースを取り上げていました。その生徒の遺書には「もう耐えられません。いじめてきたやつら、自分でわかると思います。二度としないでください。」と書かれていたそうです。いじめ事件の報道はその後も絶たず、報道のたびに心が痛みます。

自分の子は大丈夫ですか?

 「いじめはだめ!」と簡単には言えますが、大人の社会も含めていじめがないようにできるかと言えば、そう簡単ではありません。ましてや、思春期のお子さんは大人よりまだまだ未熟であり、精神的にも不安定な時期でることも影響していじめをゼロにすることはなかなかできないと思われます。表面的にはいじめとは無関係と思われるような明るい子どもでもいじめは起こると言われています。うちの子どもは大丈夫とは思わず、日頃からお子さんとコミュニケーションを取り、いつもと何か異なる様子に気づいてあげることが大切なのは言うまでもありません。日頃から親が子どもに寄り添い、さりげない会話を心かげることでその変化に気づくことができます。また、そのような親子関係を築くことで子どもからSOSが出しやすい環境にも繋がります。大切なことは、親が子どもの一番の良き理解者であるということを伝えておくことです。子どもに対して恥ずかしい・言わなくてもわかっているから・・等と思わずに、「学校や他の誰もが反対しても、私はあなたの味方だよ」と言葉に出して伝えてください。

学校へ行かなくてもいいんだよ!

 内閣府の調査によると、過去42年間の統計で9月1日が計131人、続いて4月11日が計99人と新学期スタート時に自殺者が多いことが明らかになっています。これは学校生活の再開と関連があります。子どもはいじめや教師との不和などの理由で学校へ行くことへの不安が強くなることがあります。子どもが学校に行かなくなると社会から取り残されると考える親は昔よりは減ってきています。しかし、大多数の親は「少し無理をしてでも学校へ行ってもらいたい」と願っています。こういった思いは子どもに伝わります。子どもは大人と違って選択肢が少なく、家と学校のみになりがちですが、最近ではフリースクールも増えてきました。お子さんが「学校へ行きたくない」と言ってきた場合、「学校へ行かない」・「仲間が合わなければ転校する」などの選択肢があることを子どもに伝えることが自殺予防につながります。
 私の診療経験でも小中学生で腹痛や頭痛を訴え受診したとき、風邪や胃腸炎が除外された場合、ゆっくりと話を聞くことを意識しています。痛みの原因が学校関連であれば、登校を焦らず、ゆっくり休むことをアドバイスしています。日本の社会では同じ方向(地区で決められた学校へいくこと)へ進まないといけないと考えがちですが、「みんなちがってみんないい」とその子にあった場所を親が一緒になって見つけることが大事です。生命よりも大切なものはありません。目の前に元気な子どもがいるとそれが当たり前に思えて、もっと勉強してほしい・もっと○○になってほしいと子どもに対して欲が出てきてしまうものです。しかし、少し前お腹にこの命を宿ったとき、無事生まれてきてくれさえすればそれでいい・・と願っていた頃を思い出してください。「学校を少し休んでも、勉強が遅れてもまずは大切な子どもが生きていてくれる」そのことが何よりも大切なことです。少し休めば次の一歩が考えられます。ぜひ親子に与えられた長い夏休みと考えて、向き合っていただきたいと思っています。私も小児科医の立場から応援します。
 なお、親子が相談できる窓口として「生きづらびっと」・「チャイルドライン」・「24時間子どもSOSダイヤル」・「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」・「いのちの電話」・「子どもの人権110番」があります。1人で悩まずいろんな大人と一緒に考えましょう。

参考文献

ストップいじめ!ナビ http://stopijime.jp/

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