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院長コラム

平成26年11月号(Vol.114)
なめる薬でスギ花粉症がなおる!

2014/11/01(更新日)

秋が深まり、紅葉の季節となりました。先月、2歳の娘を背負いながら妻と身延山に登りました。ロープウェーなら片道10分もかからないところを往復で6時間かかり、戻ったころには体がヘトヘトになりました。頂上では遠くに富士山がはっきりと見られ、清々しい一日を過ごしました。

 今月は読者の中でも悩まれている方が多い花粉症について取り上げます。花粉症はいまや日本人の5人に1人以上が発症する国民病です。スギ花粉は2月から飛散するのでまだ早いのですが、今までと違った新薬「シダトレン」が先月から使えるようになったので皆さんに早めに情報提供します。今までの薬は症状を抑える対症療法の薬でしたが、この薬は根本的に体質を改善できることでアレルギーの分野では画期的な治療法として大変注目されています。

 

シダトレンってどんな薬?

 今までの薬は花粉症のシーズンに症状を抑える対症療法として飲んでいました。シダトレンは体質を改善させ、スギ花粉症の根治が期待できる薬で、スギ花粉症の原因物質であるスギ花粉のエキスを舌にためて飲み込みます。

 シダトレンはいくつかの約束事があります。まず、どこの医療機関でも対応できるわけではなく、研修を受けた医師が対応します。対象は12歳以上のため小さなお子さんは使用できません。この薬は目薬のように薬液を1日1回1ml、舌の下に2分間ほどためて、その後飲み込みます。体に花粉が異物でないことを学習させるために2~3年ぐらいの長期間飲み続ける必要があり根気が必要です。かつ定期的な通院も大切となります。また症状が重い人だけではなく、軽症の方も保険診療の対象となります。

今まで対症療法の薬を飲んでも夜間の鼻づまりで眠れない、副作用の眠気が出てしまい仕事や学業に支障がでている人もいると思いますので選択の一つに考えてもよいのではないでしょうか。私もスギ花粉症のためシーズンになると夜間の鼻づまりで困っているので薬を始めようか検討しています。

 

効果と副作用

8割の人に効果があることがわかっていますが、効果が出ない方もいます。副作用は数%の方に口の中の腫れやかゆみがあります。注射より安全性は高く、報告ではアレルギーの重い症状であるアナフィラキシーは1億回に1回程度で死亡例はないと言われています。全身の副作用が起こる可能性は非常に低いため安全に行えます。さらに体質が変わることでぜんそくやアレルギー性鼻炎などの発症が抑えられる効果も期待できます。

 

アレルギー免疫療法って?

 アレルギー免疫療法は減感作療法とも言い、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげ治す可能性のある治療法です。

実は以前からも行われていた治療でした。今までは注射による治療だったこともあり、大学病院などの一部の医療機関でしか行われておらず、広く普及していませんでした。今回の薬はなめるということで、自宅で行なえるため体への負担が小さく普及への期待が高まっています。

自分自身の体質を変えていく、アレルゲンに対する過敏性を減少させる今までにない画期的な治療であります。食物アレルギーの治療法でも取り入れられていて、食物を除去しても治らない場合は原因の食物を少量ずつ食べて体を慣らしています。但し、これは必ず専門医の指導の下で進めてください。決して素人判断で行わないでください。

 

今月末にフルマラソンに出場!

 お腹が出てきていることをきっかけにランニングをしてきました。当初は少し走っただけで息切れしていましたが、今では距離も少しずつ増え1時間ほどのランニングができるようになってきました。昨秋、ハーフマラソンを完走しました。今月はフルマラソンに初挑戦しようと思っています。最近、初というのがなくなっているのでワクワクしています。結果をお楽しみに。まだまだ若い者には(そういっている時点で年を取っている証拠ですが)負けないつもりです。

 

参考文献

スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き 一般社団法人日本アレルギー学会

花粉症は治せる!舌下免疫療法がわかる本 大久保公裕 日本経済新聞出版社

鳥居薬品のホームページ(http://www.torii-alg.jp/)

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